夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百二十八話 寧夏の戦いその十三
「あかんモンはおる、そしてな」
「そして?」
「人は下も下になるとじゃ」
羅の言う下の下の下以下にまでなると、というのだ。
「もうどうなってもな」
「よおならんな」
「人は成長するにも反省するにも下地が必要じゃ」
「その下地がないとな」
「よおならん」
成長も反省もないというのだ。
「それがわかったわ」
「大抵の人はその下地がありますね」
屈は碧に怪訝な顔で問うた。
「やっぱり」
「流石にのう」
「そうですね」
「しかしな」
それでもというのだ。
「あまりにも酷いとな」
「それもなくて」
「そしてな」
「ずっとそのままですか」
「その成長する気も反省する気もな」
そのどちらもというのだ。
「そんなモンはないわ」
「それが下地でしょうか」
「かも知れんな、兎に角な」
「人は人柄ですね」
「能力は向き不向きがあっても努力したら上がる」
こちらはというのだ。
「逆に努力せんかったら、じゃがのう」
「能力もですね」
「まあ学校の勉強も努力せんとよおならんが」
「他のことで、ですね」
「そこまで酷いとのう」
「どうにもならへんですね」
「そうじゃ、わらわは婿殿には体力も要求するが」
何故要求するかはもう誰も効かなかった、碧の普段の発言からもうそれは聞くまでもないと思ったからだ。
「しかしじゃ」
「それ以上にですね」
「性格じゃ」
「それが第一ですね」
「イケメンも好きじゃが」
それでもというのだ。
「やっぱり第一はじゃ」
「性格ですね」
「そうじゃ、それで三人はどうか」
西の勢力の彼等はというのだ。
「それを見てけえ」
「あらためてですね」
「婿に誘うとするか」
「肉食ですね、ほんま」
陳はにまあ、と笑い口から涎さえ出している碧に言った。
「国木田先輩は」
「自覚しとるわ」
「そうですか」
「そうじゃ、ちなみにお肉を食べるのも好きじゃ」
食事としてもというのだ。
「お野菜も食べるがのう」
「魚介類では」
「無論じゃ」
そちらもというのだ。
「やっぱりじゃ」
「お好きですね」
「特に牡蠣がのう」
「広島の方なので」
「それでじゃ」
「牡蠣が一番お好きですか」
「生牡蠣に牡蠣フライにとじゃ」
具体的な料理名も挙げていった。
ページ上へ戻る