夢幻水滸伝
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第二百二十八話 寧夏の戦いその五
「してくるわ」
「そういうことですね」
「それでな」
羅は陳に話した。
「こうして備えさせてな」
「偵察隊で敵の動きを確認したので」
「そのうえでな」
「いきなりですね」
「切り札を出すで」
「敵が来る直前に」
「最初に切り札を出して」
そしてというのだ。
「我等の勝利を確実なもんにしてな」
「そこからですね」
「戦う、ええな」
「わかりました」
「備えて敵の長所を殺し」
「そうしてですね」
陳も言ってきた。
「こちらの切り札を切って」
「それからな」
「戦いますね」
「そうしたらな」
それでというのだ。
「勝てる、ではな」
「これからですね」
「敵を待つ、そしてな」
「敵が来たら」
「やるで」
こう言ってだった、羅は今度は麒麟に話した。麒麟はいつも通り彼の傍にいて礼儀正しく控えて立っている。
「それでな」
「私もですね」
「戦になればな」
「ご主人が乗られますね」
「そうするからな」
「承知しています、その時は」
「宜しく頼むで」
こう麒麟に話した。
「いつも通りな」
「それでは」
「敵が来ればわかる様にもしておいた」
羅は陣の外の夜の闇も見て述べた。
「若しな」
「敵が来ればですね」
「鳴る、そこでな」
「切り札を切りますね」
「そや、まずは音を待つで」
「多くの騎兵が迫れば音がします」
麒麟はこのことを指摘した。
「蹄のそれが」
「そやけどな」
「それをかなり消すことも出来ます」
「馬の歩かせ方や蹄に工夫をしてな」
「はい、蹄に布を被せるなりして」
「そして近くに至ればな」
「思いきり駆ければ」
そうすればというのだ。
「敵が音に気付いて対するよりも前に」
「敵を攻めればな」
「いいまでのことです」
「そやからな」
「我々はですね」
「鳴る様にな」
「外に仕掛けましたね」
こう羅に話した。
「陣を構えるだけでなく」
「そうした、ほなな」
「鳴るのを待ちますね」
「今はな」
こう言って敵を待った、やがて。
周りから突然だった。
爆発が起こった、ここで羅は傍にいた士官に言った。
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