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夢幻水滸伝

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第二百二十八話 寧夏の戦いその四

「用いるで、ただな」
「ただ?」
「ここは敵に思い切ったことをやったる」
 笑わず腕を組んで述べた。
「敵がまさに攻めんとしてきた時にな」
「それは何ですか?」
 陳は具体的なことを問うた。
「一体」
「それはや」
 羅は陳の問いにも答えた、すると。
 その話を聞いてだ、陳だけでなく誰もがそれはと頷いた、そして碧がにやりと笑ってそうして言った。
「ほなのう」
「それでいくで」
「わかったわ」
 羅にその笑みのまま答えた。
「そういうことでな」
「そしてな」
「そこからはじゃのう」
「一気に勝利を掴むわ」 
 羅は笑っていなかった、そこにはまるで石橋を叩いて渡るかの様な慎重さがあった。そして全軍に備えさせ。
 夜を待った、そして夜になると。
 羅は前に置いたバリケードに穴を開けた壁を見て言った。
「この二つはな」
「足止めですね」
「そや、騎兵が来るならな」
 屈に答えた。
「何が重要か」
「その足を止めることですね」
「騎兵、戦車もそうやが武器は何か」
「その速さと衝撃ですね」
「馬の大きな身体を利用して突っ込む」
「それも大きいですね」
「そやから騎兵は強い」 
 機動力に加え衝撃力もありというのだ。
「そやからそれに勝とうと思ったらな」
「近寄らせんことですね」
「そや」 
 まさにというのだ。
「それこそがな」
「大事で」
「それでや」
「バリケードを敷かせましたか」
「それと壁も用意した」
 見ればバリケードの前に浅い塹壕もある、そこには人はいない。
「こうしてな」
「騎兵が来てもですね」
「防げる様にした、そして」
「敵が来た時に」
「仕掛ける、夜目が効く種族もおるが」
 猫人等がそうである、種族によっては夜でも比較的見える場合もあるのだ。
「しかしな」
「やはり人は昼に生きるもので」
「そういう風に進化したからな」
 それでというのだ。
「夜はな」
「やはりですね」 
 陳も言ってきた。
「本来の猫とかに比べますと」
「あまり見えん」
「そうですね」
「例え蝙蝠人でもな」
「昼に生きていて」
「夜目が利いても元の生きものとは比べものにならん」
「そやから夜襲も効果があります」
 陳は羅に話した。
「この世界でも」
「そして劣勢やとな」
「奇襲を仕掛けんとし」
「夜襲もな」
 これもというのだ。 
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