夢幻水滸伝
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第二百二十八話 寧夏の戦いその二
「鉄砲も多く」
「砲兵隊も擁しています」
「ですが空船はほぼなく」
「伏兵は観られません」
「決戦を挑むつもりの様です」
「騎兵隊と砲兵隊が目立ちます」
「今のところはそうか、しかしな」
羅は二人の報を聞いて述べた。
「それは今の段階やな、相手が不利なんは事実やしな」
「そやからですね」
「これからもですね」
「敵の動きを見るんや、そしてな」
そのうえでというのだ。
「伏兵が来るか奇襲の動きがあれば」
「その時はですね」
「こちらもですね」
「対する、敵はな」
その彼等はというのだ。
「自分達が不利なんを自覚してる」
「だからこそですね」
「必ず何かを仕掛けてきますね」
「そしてその不利を覆そうとする」
「必ずですね」
「そうしてくる、しかしその不利を覆すなら」
それならというのだ。
「何をしてくるか考えるんや」
「奇襲なり何なりを」
「それで、ですね」
「そやから内部の工作も警戒してますし」
「周りもよお見ていますね」
「そや、それで決戦の時になれば」
まさにその時はというのだ。
「ええな」
「はい、それでは」
「これからも」
「偵察は徹底する、この辺りの地形は敵の方がよお知ってるわ」
羅は冷静な声で述べた。
「敵の領土に近いからな」
「そうじゃな」
碧は羅のその言葉に頷いた、本陣での軍議の場で卓を囲んでいるがその卓の上にはこの辺りの地図が開かれている。
「それは事実じゃ」
「そやからな」
「領土に近いとな」
「やっぱりよお見てな」
「知っとるけえ」
「そや、それでや」
「敵が地の利を使ってくる」
碧は腕を組んで述べた。
「それやとのう」
「奇襲もな」
「してくるとな」
「考えることじゃな」
「そや、ただな」
ここで羅はこうも言った。
「我はどの奇襲で来るかとは考えん」
「?どういうことじゃ」
「伏兵、夜討ち、工作、備えはするが」
「どれで来るかはか」
「考えん」
そうするというのだ。
「ここはな」
「それは何でじゃ」
「考えると固定観念になる」
だからだとだ、羅は碧に答えた。
「伏兵で来ると思ったら伏兵にしか備えんな」
「そやからけえ」
「そや、それでな」
「ここはか」
「何で来るかは考えん、また言うが相手は劣勢や」
またこのことを言うのだった。
「兵はこちらは六十万相手は四十万」
「一・五倍ですね」
「その兵力差がありますね」
「それで装備もこちらの方が上です」
「このことは大きいですわ」
瑠璃子達四人が話した。
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