夢幻水滸伝
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第二百二十八話 寧夏の戦いその一
第二百二十八話 寧夏の戦い
羅率いる北の軍勢は銀川かわ黄河を使って蘭州に向かった、陸路もそうであり彼等は長城を右手に見つつ進んでいた。
その長城を見てだった、屈はこんなことを言った。
「長城から南となりますと」
「もうここは中国ですね」
「そやな」
陳の言葉に頷いた。
「そうなるな」
「そうですね」
「長城は敵を防ぐ守りであると共にな」
「境ですからね」
「そやから長城から南はな」
「中国となります」
陳もこう言った。
「僕達は東北にいますが」
「やっぱり中国というとな」
「長城から南です」
「そうなるさかいな」
「そや、中国は何処かっていうとな」
残も言ってきた、彼もまた長城を観ている。長城は高さ数メートルで道の様になり壁で左右を守りかつ決まった間隔で物見の塔も置かれている。
「長城から南や」
「そうなってますね」
「古来より」
「秦の始皇帝以前からやな」
残は春秋戦国時代中国で言う東周時代のことから話した。
「趙も築いてな」
「境としていましたね」
「あの国も」
「そや、ただ長城を確かにしたんはな」
即ち境をというのだ。
「やっぱり始皇帝やな」
「そうなりますね」
「その話になりますと」
「何だかんだでだな、この世界では神の一柱でな」
所謂英雄神だ、起きた世界で何かしらの高い能力を持っている人物はこの世界では神となって崇拝されているのだ。
「おるけどな」
「その始皇帝がですね」
「定めたものですね」
「おらっち達はその長城から出てな」
「そして今は長城に戻っていますね」
「その中に」
「そやな、そしてその中国の中でな」
そこでというのだ。
「戦うな」
「これより」
「そうなっていますね」
「敵の軍勢は寧夏との境に入る」
そうなるというのだ。
「これからな」
「そうですね」
残は鋭い声になり応えた。
「これから」
「そしてな」
「勝てばですね」
「そこから蘭州を攻略してな」
そうしてというのだ。
「西の連中の勢力を分断する、後はな」
「分断した敵をですね」
「併呑していく」
「そうしますね」
「戦が続くならな」
それならというのだ。
「ええな」
「それでは」
「このまま進むで、それで敵の動きはどうなってる」
今度は屈と陳に問うた、屈が密偵を陳が空船を放っているからだ。
「一体」
「今は蘭州の北に布陣しています」
「騎兵隊が多いです」
二人はすぐに答えた。
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