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夢幻水滸伝

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第二百二十七話 内モンゴルを手に入れその九

「それを使ってくで」
「わかったけえ」
「地下世界でもそうしてると思うが」
「実はこっちの世界に来るまでなかった発想じゃ」
 碧は羅にこう返した。
「わらわにはのう。海は使うことは知っちょったが」
「川はやな」
「ものや人を運ぶにのう」
「それは自分が日本人やからやな」
「日本はそんな大きな川がないわ」
「それや」
 まさにとだ、羅は碧に答えた。
「まさにな」
「黄河や長江みたいな大河がないけえ」
「四方海に囲まれてるから海は使ってもな」
「川はじゃ」
 どうしてもというのだ。
「なかったわ」
「それはしゃあない、人はあるものからしか考えられん」
「そやからじゃな」
「大河を使うことを知らんでもな」
 それでもというのだ。
「しゃあにわ」
「そうなんじゃな」
「しかしな」
「自分等はじゃな」
「それがあるさかいな」
 大河がというのだ。
「それでや」
「使ってくんじゃな」
「そうしてな」
「進んでいくんじゃな」
「そうする、黄河をな」
 この川をというのだ。
「そして蘭州を攻めるで」
「わかったけえ」
「ほなこのまま先に進みましょう」
 屈が羅に言ってきた。
「黄河を使って」
「そういうことでな」
「それとです」 
 屈はさらに話した。
「川の幸も楽しみますね」
「魚をやな」
「はい、モンスターも倒せばです」
 川にいる彼等もというのだ。
「食べられる種類も存在しますし」
「勿論食べるで、何しろ中国人はな」
 羅は屈の言に笑顔で応えた。
「海や川にあるものは船以外全部食べる」
「空のものは飛行機以外で」
「四本足のものは机や椅子以外や」
「もっと言えば植物は毒のあるもの以外」
 残も言ってきた。
「そやさかいですね」
「モンスターもな」
「毒がないと」
「そや」
 まさにというのだ。
「食べてくで」
「わかりました」
「ほなモンスターを退治してな」
「食べられるんやとですね」
「食べるで」
「ほなそういうことで」
 屈も笑顔で頷いた、そしてだった。
 彼等は黄河に達するとその流れを利用しての輸送と補給それに進軍を開始した、するとこれまでよりも遥かに迅速にだった。
 進むことが出来た、その進軍を見て陳は言った。
「いや、やはりです」
「川を使うとやな」
「何かと便利ですね」
「そやな」
 羅は陳に笑顔で応えた、今は丘にいるがその視線は川にある。 
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