夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百二十三話 武闘場からその十二
「復活させられるが」
「術や高度の道具で」
「しかしな」
それでもというのだ。
「傷受けると痛い」
「回復出来ても」
「それで蘇ることが出来てもな」
「だからですか」
「ほぼ負ける戦はな」
それこそというのだ。
「せんことや」
「最初からですか」
「しかも羅さんの軍は多いうえに装備もええ」
ただ羅が強いだけでなくというのだ。
「しかも兵もよお鍛えられてる」
「訓練で」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「かなりの強さや」
「我が軍よりもですか」
「比較にならん、軍律もかなりのもんで」
このこともあってというのだ。
「本当に強い軍や」
「その軍と戦ってもですね」
「どうしても勝てんからな」
そう確信しているというのだ。
「可能性はほぼないわ」
「勝てるそれは」
「そやからせん」
二杯目の麺も元気よく食べつつ言った。
「最初からな」
「戦うならですか」
「兵を傷付けることなくな」
「降りますか」
「あの人を見極めることが前提でも」
「羅様が若し暴虐の方ならば」
「その時は戦うが」
それでもというのだ。
「そうでもないとな」
「降りますか」
「そう考えてるわ」
「ですか」
「自分等の地位はそのままやしな」
「仕事は失わず」
「それで身の安全もな」
こちらもというのだ。
「保障される様におらっちが言うから」
「かたじけないです」
「棟梁が降った時とか責任取らんでどうする」
「だからですか」
「それは守る」
「そうなのですね」
「そや、只でさえこうしてや」
残は笑ってこうも言った。
「大飯喰らってるしな」
「別に食事のことは」
「ええか」
「はい、人の食事の量はそれぞれなので」
「だからか」
「いいです」
「グレムリンにしては相当食ってるけどな」
小柄な種族なのでよく食べるのだ。
「それでもか」
「はい」
「そうなんやな」
「今は勢力の食糧事情もいいですし」
「まずは餓えん様にせんとな」
残は真剣な顔で述べた。
「さもないとな」
「どうにもなりませんね」
「そやからな」
それでというのだ。
「おらっちも政でな」
「まずはですね」
「そこをしっかりした」
餓えをなくすことをというのだ。
ページ上へ戻る