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夢幻水滸伝

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第二百二十二話 合流を決意しその十二

「太平洋の神星の方は」
「そやな、わかってる限りで」
「それで欧州には五人おる」
「あの五騎星の連中やな」
 魯が応えた。
「ヘッセ達やな」
「ああ、あの連中や」
 羅もそうだと答えた。
「欧州はな」
「あの五人はおいら達以上に苦労してるみたいやな」
「欧州の群雄割拠は凄いからな」
「そのせいでな」
 それでというのだ。
「大変らしいな」
「ブラックらしいな」
「みたいやな、仕事も大変で」
「あそこはどうなるか」
「わからんな」
「あっちはそうでな、それでロシアの二人と」
 神星の者の話をさらにした。
「インドのタゴールでな」
「十七人か」
「神星は十八人、あと一人誰やというと」
 羅は言った。
「日本やな」
「そやな、まだ何処におるかわからんが」
「それはわかってる」
「中里やな」
「あいつが神星の最後の一人や」
 十八人のその中のというのだ。
「それであいつが何時この世界に出て来て」
「そしてやな」
「どう動くかでな」
「日本は変わるな」
「日本も群雄割拠や」
 そうした状況だというのだ。
「そやからな」
「中里がどう動くか」
「それで大きく変わるな」
「そやな」
「若しです」
 屈も言った。
「京都の紫さんと大坂の芥川さんが衝突しますと」
「その時はな」
「双方只では済みませんね」
「そやな、しかし手を結ぶとな」 
 その場合はとだ、羅は言った。
「物凄い力になるで」
「神星がお二人になりますと」
「それやとな」
「その場合は」
「そこに中里も入れば」 
 もう一人の神星である彼もというのだ。
「日本の統一をするかもな、そして」
「そして、ですか」
「幾ら兵が少なくても一番強いかもな」
「そうした勢力になるかも知れないですか」
「神星の我が言うんや」
 彼等と同じ立場のというのだ。
「神星の力は絶大や」
「そやからですか」
「それが三人揃うと」
「恐ろしいもんや」
「そう思うと日本は侮れんな」
 魯も言ってきた。
「神星が三人しかも他の星のモンも多い」
「そや、中国を統一した後どうするかまだ決めてへんが」 
「日本とことを構えるなら」
「その時はな」
「覚悟すべきやな」
「兵は少なくとも」
 日本だけではというのだ。
「それでもな」
「あの国はそうした事情でやな」
「強い、そやからな」
「覚悟してやな」
「戦ってくで」
「その時はやな」
「ああ、そして今は」
 羅はここであらためて言った。
「我等のすべきことをするで」
「そうしていこか」
「まずは目の前のことですね」
 魯も屈も応えた、そしてだった。
 吉林省それに黒竜江省に勢力を拡大し東北統一を進めていった、彼等はまだ動くのだった。


第二百二十二話   完


                   2021・8・15 
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