夢幻水滸伝
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第二百二十二話 合流を決意しその十一
「お好み焼き屋さんのな」
「あの焼きそばやな」
「あれはめっちゃ美味いが」
「中華料理かっていうとな」
「ちゃうわ」
こう言い切った。
「ほんまにな」
「あの濃い味付けはな」
「中華の焼きそばも濃い味付けやが」
「またちゃうからな」
「ソースに加えて」
さらにというのだ。
「マヨネーズにな」
「紅生姜、青海苔に鰹節」
「何処が中華料理や」
「中国から入ったかも知れんが魔改造の極みやろ」
「お好み焼きの味付けや」
「あれはあれで美味しいが」
「中華料理やないわ」
二人で中国の焼きそばを食べつつ言うのだった。
「塩焼きそばでも同じや」
「やっぱりマヨネーズ使うしな」
「それと鰹節な」
「そやったらや」
「それはそうですね」
ここで屈も言ってきた。
「日本の焼きそばはお好み焼き屋さんのものですね」
「そやな」
魯が応えた。
「そして居酒屋のもんやな」
「その居酒屋の場合も」
「お好み焼き屋の味付けやろ」
「そうですね」
「関西の居酒屋には付きものやな」
焼きそばはというのだ。
「ほんまに」
「そしてその居酒屋でも」
「お好み焼き屋の味付けでな」
「中華料理やないですね」
「そや、まあ日本の中華料理と中国の中華料理もちゃうがな」
魯はこのことも指摘した、これは食文化が関係している。日本の中華料理は日本人好みの味があるのだ。
「特にラーメンは」
「あれは我が国ですと拉麺ですが」
「またちゃうもんやからな」
「そうですね」
「あれは日本の料理や」
魯は言い切った。
「ほんまに」
「そうですね」
「そして焼きそばもな」
「魔改造の極みですね」
「紅生姜がない」
羅は言い切った。
「当然青海苔も鰹節もな」
「その三つが」
「日本のもんや」
「左様ですね」
「しかも美味いからな」
「余計に困りますね」
「あの濃い味は」
羅は真剣な顔で述べた。
「ビールに合う」
「ほんまにそうですね」
「こっちの世界にもビールはあるけどな」
「日本のあの焼きそばとビールは」
「お好み焼き屋でないと味わえん」
「そういうものですね」
「そや、まああの焼きそばはな」
羅はこうも言った。
「また今度食うことにして」
「今はこうしてですね」
「中国の焼きそばを食おうな」
「こちらも美味しいので」
「そうしよな」
「こうして」
「ああ、それとな」
ここで羅はこうも言った。
「今日本の話をしたけどな」
「その日本ですか」
「あっちは神星が二人おるな」
「ですね、わかっている限りで」
屈は焼きそばを食べながら話した。
「大坂と京都に」
「それぞれおるな」
「芥川さんと紫さんですね」
「アメリカにも二人でな」
「そしてシンガポールとオーストラリアにも」
「ブラジルにもおるな」
「合せて九人ですね」
こう言うのだった。
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