恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十四話 孔明、弓矢を奪うのことその三
「肝心のことですから」
「このことは」
「わかった。だがだ」
「だが?」
「だがといいますと」
「流石だな」
微笑みだ。二人にこんなことを言ったのである。
「水鏡先生の愛弟子達だけはある」
「いえ、私達はそんな」
「特にそんなことは」
「謙遜しなくてもいい」
二人の気質を知っていての言葉ではある。だがそれでも周瑜は言った。
「事実だからな」
「はわわ、そんなこと言われると恥ずかしいです」
「私もです」
周瑜の言葉に顔を赤くさせて恥ずかしがる二人だった。その二人にだ。
周瑜はさらにだ。こんなことを言うのだった。
「貴殿等は敵に回したくはないな」
「私達をですか?」
「そんな。私達なんて」
ここでまたいつもの調子でだ。二人は周瑜に返した。
「身体は小さいですし力はないですし」
「喧嘩とか全然できませんけれど」
「私が言っているのは頭だ」
そのことだというのである。
「貴殿等の頭は敵に回すと恐ろしい」
「そうなんですか」
「私達の頭がですか」
「味方であって何よりだ」
そしてこんなことも言う周瑜だった。
「実に頼もしい」
「ええと、とりあえずです」
「私達のできることをするだけですから」
こう話す二人だった。そしてだ。
二人はだ。今度は仲間達にこんなことを話した。
「では今からです」
「御飯にしませんか?」
「ああ、そうっちゃな」
ホンフゥが最初に二人の言葉に応える。
「もういい時間っちゃな」
「もう御飯は用意できていますので」
「早速食べましょう」
「それで何なんだ?」
ビッグベアが二人についてメニューを尋ねる。
「一体」
「ちょっと簡単なんですけれど」
「御饅頭と干し魚です」
そうしたものだというのだ。
「その二つです」
「それでいいですか?」
「ああ、別にいいぜ」
ビリーが何でもないといった口調で応える。
「船の上だしな。かえって簡単なものの方がいいさ」
「俺は肉の方がいいが」
八神がこう言うとだった。孔明と鳳統はこう二人に答えた。
「はい、干し肉もあります」
「それもです」
二人はその八神に答える。
「あと蜜柑もありますので」
「栄養は充分かと」
「ああ、蜜柑もあるのか」
ビッグベアはそれを聞いて笑顔になりだ。こんなことを話した。
「ビタミンも補給できるな」
「そちらの世界での栄養ですよね」
「色々な食べ物に含まれている」
「そうだよ。人間ただ食うだけじゃ駄目なんだよ」
プロレスラーだけあってだ。健康には気を使っているのだった。
「ステーキばかり食っても身体に悪いんだよ」
「確かにお肉ばかりでも身体がだるくなりますよね」
「偏食はよくないです」
「だからな。そうした野菜とか果物も食べないとな」
「はい、では蜜柑もです」
「皆さん召し上がって下さい」
「さて、では腹ごしらえだな」
周瑜も微笑みながら言う。
「戦の前のな」
こう話してだった。彼等は食事に入った。その中でだ。
火月がだ。仲間達にこんなことを話した。
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