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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百十四話 孔明、弓矢を奪うのことその二

「一口に十万本といっても結構ありますわよ」
「そうよ。かなりね」
 曹操もここでも言う。
「それを調達するのは」
「できれば船を用意して欲しいのですけれど」
「それを藁で覆った案山子もです」
 二人はすぐに話していく。
「そうして欲しいのですが」
「宜しいでしょうか」
「わかりましたわ」
 首を捻り難しい顔をしながらもだ。袁紹は答えた。
「それでは」
「はい、それではです」
「すぐにかかります」
「出来るだけ早いうちにお願いするわね」
 曹操は期限について言及した。
「敵が何時来るかわからないから」
「わかりました。ではすぐに」
「取り掛かります」
 こうした話をしてだった。早速だ。
 船と藁で覆った案山子達が用意された。そのうえでだ。
 孔明は船を操る兵達と共にだ。彼等も集めたのだった。
 まずは火月がだ。こう二人に尋ねた。
「俺が来ていいのか?」
「はい、火月さんは絶対にです」
「来て欲しいと思っていました」
「何でなんだ?」
 いぶかしみながらだ。火月はまた二人に尋ねた。
「俺水の上での戦いは特に得意じゃないぜ」
「俺もだぜ」
 今度は草薙が出て来て言う。
「特にな。火は得意だけれどな」
「火攻めでもするのだろうか」
 クラウザーもいる。
「そこがわからないが」
「俺もか」
 見れば八神までいる。
「訳がわからないな」
「見れば火を使う奴ばかりじゃねえか」
 また言う火月だった。
「こっちの世界の連中はな」
「その通りだな」
 彼等と共にいる周瑜も言う。彼女は船を操る役目だ。軍師だがそれにも長けているからだ。
「ここまで火を使う面々ばかり揃えるとな」
「おいも思うっちゃよ」
 ホンフゥも言う。
「火攻めにするっちゃってな」
「それならそれでいいんだけれどな」
 ビリーは孔明達のその考えには賛成だった。ただし彼女達の真意には気付いていない。
「けれどそれでもな」
「弓矢集めるんだよな」
 草薙がいぶかしみながら問うた。
「それで何で火なんだ?」
「そこがわからぬ」
 半蔵も言う。
「何なのかがだ」
「まずは敵陣に近付きましょう」
「それも早朝に」
 二人はいぶかしむ彼等にこう言うばかりだった。
「そしてそこで、です」
「お話させてもらいます」
「早朝の奇襲か?」
 ビリーは首を捻りながらまた述べる。
「まあそれも有効だけれどな」
「弓矢を手に入れるのはどうするつもりだ」
 周瑜もその辺りがわかりかねていた。
「敵から・・・・・・むっ」
「あっ、内緒で」
「御願いします」 
 軍師二人はすぐに周瑜の口止めに入った。
 
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