恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十三話 甘寧、敵陣を見るのことその七
「父と同じ技か」
「そうだ。俺は親父とテリーの技を使う」
それでだ。烈風拳もだというのだ。
「これならだ」
それでだ。白装束の者達を倒す。それと共に。
バイスに向かいだ。拳を次々に繰り出す。
二人の闘いがはじまる。そして。
牙刀もだ。マチュアに向かい闘いはじめた。
「貴様の相手は俺だ」
「面白いわね。貴方の拳もまた」
「どうだというのだ」
「お父さんそっくりね」
「!?親父はまさか」
「ええ、いるわ」
闘いながらだ。マチュアは答える。
「私達と一緒にね」
「貴様等にはあらゆる闇の連中が集っているのか」
「そうよ。そうなっているわ」
その通りだとだ。マチュアは牙刀に答える。
「そしてその闇の力で」
「戯言を言う」
牙刀はこう言ってだ。目を鋭くさせて。
蹴りを繰り出す。しかしその蹴りは。
マチュアに防がれる。そうして今度は。
マチュアが投げにかかる。だが牙刀は寸前で受身を取り。
すぐにだ。足払いをかける。二人の攻防も続く。
他の者達は白装束の者達と戦う。だが敵は次から次に出て来る。
「相変わらず数で来るか」
「そうね」
諸葛勤もだ。何とか手の扇を使っている。だが殆んど戦力になっていない。
だがそれでもだ。彼女も戦いだ。その中で甘寧に応えていた。
「このままだとね」
「数に押し潰されるな」
「何とか囲みを突破したいけれど」
「やるか」
ここでだ。甘寧は。
剣を構え。仲間達に言った。
「ロック、牙刀」
「ああ、一気にか」
「一点を突破してか」
「すぐにここから去る」
こう二人にも告げる。
「私が先頭になり一気に突っ切る」
「わかった。それじゃあな」
「俺達が後ろを受け持つ」
バイス、マチュアと闘っている二人がだというのだ。
「頼むぜ。突破はな」
「それは任せる」
「わかった。ではだ」
甘寧は剣を構えたまま全身に力を込め。そのうえで。
「はあっ!!」
前に跳んでだ。そこにいる白装束の者達を斬る。それに続いて。
ジェニーとほたるが諸葛勤を挟んで、駆ける。
「今よ!」
「一気にいきましょう!」
「ええ、後は」
「ロック!牙刀!」
「後ろは御願いします!」
「そういうことだ。悪いがな」
「ここで退かせてもらう」
二人は今闘っているバイスとマチュアに言い。そのうえで。
「喰らえ!」
「これでどうだ!」
それぞれ超必殺技を放ち。それを最後にして。
彼等も戦場を離脱する。そのまま一気に駆ける。
超必殺技を防ぎそれで怯みはしたがだ。すぐにだ。
バイスとマチュアは態勢を立て直しだ。白装束の者達に言った。
「すぐに追うわよ」
「逃がしてはいけないわ」
白装束の者達は二人の言葉に無言で頷き。そのうえで。
追撃にかかる。今度は撤退戦だった。
甘寧達は全速で森の中を駆けていく。その横、後ろからだ。
白装束の者達が襲い掛かる。その彼等を薙ぎ倒しつつ先に進む。
その中でだ。諸葛勤が地図を見ながら言う。
「ここはね」
「帰った道を引き返すべきだな」
「知っている道を通る方がいいわ」
それでだというのだ。
「ここは道が入り組んでいるから」
「下手に知らない道を通ればな」
どうなるか。甘寧もわかっていた。
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