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夢幻水滸伝

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第二百十九話 幻術師の決断その六

 店を出るとまた旅に出た、そうして連れているモンスター達を見てそのうえで黒麒麟に対して言った。
「この連中は養えてるが」
「それでもですね」
「ああ、こいつ等のこともな」
「考えていかないといけないですね」
「こいつ等は今はおいらの部下や」
「はい、率いている軍勢と同じです」
 黒麒麟もこう答えた。
「まさに」
「そやな、それでな」
「大事にしないといけないですね」
「そやから養えていることはな」
「有り難いですね」
「ほんまにな、お金もあるし」
「旅に使う馬車もあります」
 見ればそれもある、馬が牽いている。
「そこにモンスター達も入っています」
「そうして旅もしてるけどな」
「仲間になるモンスターが増えますと」
「ちょっとな」
「馬車にも入りきらないですね」
「馬車もう一つ買おうか」
 魯は虎の顔を考えさせるものにさせれ述べた。
「そうしよか」
「モンスターが増えれば」
「そうしよか」
「それもいいですね、旗揚げされないなら」
 それならとだ、黒麒麟は魯の考えを汲み取って述べた。
「そうされてです」
「仲間を養っていかんとな」
「はい、もう次第に旅もです」 
 これもというのだ。
「キャラバンの様になってきているかと」
「仲間のモンスターが増えてな」
「そうなっています、修行も」 
 こちらをしてもというのだ。
「やはりです」
「道場みたいになってるな」
「野外の」
「そうなってるな、最初はおいらと自分のな」
「気楽な旅とですね」
「考えてたけどな」
 それがというのだ。
「そうもならんな」
「左様ですね」
「仲間が増えて」 
 モンスター達がというのだ。
「次第にな」
「キャラバンの様になって」
「大きくなってきたな」
「そうですね、それはですね」
「想定してへんかった、しかしな」
「仲間になるならですね」
「絶対に見捨てん」 
 魯は強い声で言った。
「一旦そうなったらな」
「仲間だからですね」
「そや、仲間や友達や家族を見捨てるのはな」
「許されないことですね」
「そう思うからな」
「それはしませんね」
「ああ、しかしな」
 ここで魯はこうも言った。
「こうして旅をするのに限界が来るかもな」
「キャラバンの様になりますと」
「その時はな」
「ではどうされますか」
「羅と会うか」
 彼と、というのだ。 
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