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夢幻水滸伝

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第二百十七話 お好み焼きを食べながらその八

「幽霊の方がずっと怖いわ」
「日本の幽霊って怖い?」
 アレンカールは綾乃と同じ日本酒を飲みながら述べた。
「あれって」
「別に怖ないな」
「これといって」
 トウェインもメルヴィルも首を傾げさせる。
「自分に来んし」
「これといって」
「祟る言うてもな」
「ああした風やとな」
 羅と施も同じであった。
「別にな」
「怖ないな」
「怨霊がそんなに怖いか」
 リーは真顔で言った。
「日本の映画の」
「何処が怖いんかわからんわ」
 シェリルもであった。
「ほんまにな」
「怖いやろ」
「そやろ」
 中里も芥川も言った。
「怨霊は」
「日本のはな」
「もう人間の業も出てて」
「あんな怖いもんないわ」
「自分には来んやろ」
 リーは率直に述べた。
「そやとな」
「怖ないか」
「そうなんか」
「そう思うわ」
 リーとしてはというのだ。
「私達としてはな」
「何かね、幽霊は怖いけれど」
 アレンカールはカルピスサワーを大ジョッキで飲みつつ述べた。
「それでも日本の幽霊はね」
「怖ないか」
「そやねんな」
「そう、リーちゃんが言った通りにね」
 カルピスのお陰で甘い酒の味を楽しんでいる、お好み焼きの濃厚な味とそちらの両方を楽しみながらの言葉だ。
「自分に来ないしジワジワと来ても」
「ああ、某貞子さんみたいに」
 綾乃も飲みつつ応えた。
「ああした感じやね」
「携帯とかテレビとかから出るわね」
「あれが怖いんやけど」
「そんなの切ったらいいでしょ」
 簡単に言ったのだった。
「それでね」
「終わりっていうんやな」
「何処が怖いのか」
「怖いのはもっとあるやろ」
 トウェインは本気で考える顔で述べた。
「ゾンビが団体で来るとかチェーンソー持ったな」
「殺人鬼とかやな」
「そういうのの方がずっと怖いわ」
 こう中里に言った。
「ほんまに」
「いや、ゾンビの方がな」
 中里はどうかという顔で述べた。
「ましやろ」
「そこがちゃうな、映画観ていても」
 メルヴィルも言った。
「日本の映画とアメリカの映画でな」
「ちゃうな、それは」
 中里も映画について述べた。
「怖いポイントがな」
「そこに出てるな」
「あれやな、日本のホラーは内面や」
 羅はたこ焼きを食べながら言った。 
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