夢幻水滸伝
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第二百十七話 お好み焼きを食べながらその六
「そうしよか」
「ええね、ほなそうしよか」
こう話してだった。
たこ焼きが十人分注文された、そしてだった。
十人はそのたこ焼きも食べはじめた、するとトウェインが言った。
「蛸をこうして食べるとかな」
「他の国にはないからな」
「そやからな」
中里に食べながら答えた。
「ほんまにな」
「嬉しいか」
「何か足らんと思ったら」
「それならか」
「たこ焼きがなかった、たこ焼きなくしてや」
それこそというのだ。
「粉ものを語れんな」
「その通りやな」
「蛸を食べる国は少ないがな」
メルヴィルも食べつつ言った。
「しかしな」
「日本はこの通りや」
「世界一蛸を食う国で」
「特にや」
「たこ焼きやな」
「神戸には明石焼きもあるが」
「たこ焼きの方がやな」
「やっぱりな」
何といってもというのだ。
「メジャーやな」
「関西全体で言うとな」
「実際食べるとな」
「病みつきになるわ」
羅も当然食べている、そのうえでの言葉だ。
「ほんまに」
「蛸が食べられるとかな」
シェリルはこう言った。
「烏賊もそやが」
「いや、普通に食べられるやろ」
中里は即座に返した。
「蛸も烏賊も」
「美味しくな」
「自分さっきから烏賊食べてるしな」
「いか玉でも焼きそばの中の烏賊でもな」
「しかも美味しいやろ」
「特に足が好きや」
所謂イカゲソがというのだ。
「天麩羅とかのな」
「それで蛸もやな」
「しかし我が国は周知の通りかつてはイギリスの植民地やった」
「あの食べものの糞ますいので有名な」
アレンカールははふはふとたこ焼きを食べつつ述べた。
「イギリスのね」
「あの国は烏賊なんか食べん」
「食べられることすら知らなかったのよね」
「蛸もな」
こちらもというのだ。
「想像すらしてへんかった」
「それでよね」
「しかも私は内陸におったしな」
オーストラリアのそこにというのだ。
「余計にな」
「蛸食べるとかか」
施が言った。
「知らんかったか」
「話を聞いたけどな」
それでもだというのだ。
「来日するまでな」
「食べたことなかったか」
「烏賊もな」
こちらもというのだ。
「それで食べると」
「美味しかったな」
メルヴィルはたこ焼きを食べてから焼酎を飲んだ、そして生きていてよかったと思いながら言った。
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