恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百十一話 怪物達、また騒動を起こすのことその十
そうしてだ。怪物達に言うのである。
「手前等、一体何者だ!」
「折角の舞台を最後の最後で台無しにしやがって!」
「ゆ、許せない」
「あら、何が許せないのかしら」
「意味がわからないわ」
貂蝉と卑弥呼だけがこう思っている。
「あたし達みたいな絶世の美女を捕まえて妖怪だなんて」
「失礼しちゃうわ」
「じゃあ聞くが御前等何者だよ」
そのいつものリーダー格が抗議する。
「いきなり出てきやがってよ」
「ぜ、絶対人間じゃない」
でかいのも言い切る。
「妖怪としか思えない」
「だから妖怪じゃないわよ」
「絶世の美少女よ」
彼女達は身体を不気味にくねらせて主張し。そうして。
名乗った。その名は。
「貂蝉よ」
「卑弥呼よ」
ウィンクして恥らいながら名乗った。すると。
それだけでだ。また大爆発が起こった。その爆発でだ。
三人組は吹き飛ばされた。まさに戦略兵器だ。
しかもだ。戦略兵器はまだあった。
怪物達は恐ろしいことを言い出した。
「じゃあ舞台のトリでね」
「歌わせてもらうわ」
「えっ、歌えたの」
曹操もそれを聞いて驚く。
「あの怪物達」
「そうみたいですね。どうやら」
「信じられませんが」
夏侯姉妹が曹操に応える。
「では一体どうされますか」
「ここは」
「どうすると言われても」
曹操もだ。彼女にしては珍しく釈然としない顔になる。
それでだ。こう言うのだった。
「あの二人はどうしようもないわ」
「はい、何しろ仙人ですから」
「おそらく前身は恐ろしい怪物だったのでしょうが」
つまりだ。妖怪仙人だというのだ。
「あの者達がすることはです」
「最早誰にも」
「ええ。見守るしかないわ」
こう言ってだ。曹操もだ。
見守るしかなかった。他の面々もだ。
袁紹もだ。憮然として言うのだった。自分の席で。
ページ上へ戻る