恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十一話 怪物達、また騒動を起こすのことその九
「確かにあの娘達がずば抜けてたけれど」
「しかし同時優勝とは」
「けれどです」
ここで徐庶が驚きを隠せない二人に言う。
「これは妥当です」
「そうよね。言われてみれば」
「実力は伯仲していた」
「皆上手でしたけれど」
これは参加者全員への評価だ。
「それでもです」
「あの娘達は本当に互角だった」
「だから」
「そういうことなのね」
「だからお互いにか」
「はい、そうです」
まさにそうだとだ。徐庶は言った。
「確かに決着はつかない感じですが」
「けれど歌だから」
「それもよしか」
「そうなります」
徐庶がこう言うとだ。その彼女達もだ。
腑に落ちない感じだがそれでもだ。こうそれぞれ言うのだった。
「優勝じゃないのね」
「折角だから単独優勝といきたかったけれど」
「けれど」
姉達に続いて張宝がこう言った。
「充分歌いきったし」
「そうよね。これもね」
「いっか、別に」
「歌だからいい」
また言う張宝だった。
「戦じゃないから」
「うん、じゃあこの後は」
「都の御馳走食べ放題ね」
彼女達はこれで終わった。そして。
袁術達もだ。こう言うのだった。
「ううむ、ぶっちぎりでいけると思ったがのう」
「あの娘達また歌が上手になってますね」
「それに踊りも」
少し残念そうな袁術に張勲と郭嘉が言う。
「けれど私達は歌いきりましたし」
「もういいと思います」
「そうじゃな」
そしてだ。二人に言われてだった。
袁術も納得してだ。こう言ったのだった。
「まあよいか」
「はい、ではそういうことで」
「後は二人で」
郭嘉は袁術をだ。熱い視線で見て声をかけた。
「蜂蜜水を」
「そうじゃな。凛と一緒ならいいのじゃ」
袁術も郭嘉に言われるとにこりとなる。
「もうずっと一緒にいたいのじゃ」
「あら、では私も」
張勲がさりげなくそんな二人の中に入る。
「御一緒させてもらいますね」
「うう、凛と一緒におる時は七乃にはあまり」
「お嫌ですか?」
「凛は渡さん」
これが袁術の言いたいことだった。
「それはわかっておるな」
「あらあら。我儘はいけませんよ」
こんなやり取りをする三人だった。今は平和だった。
筈だった。しかしだ。
誰もいなくなった舞台にだ。突如としてだった。
彼女達が出て来た。その瞬間に。
舞台では大爆発が起こった。それで何もかもが破壊された。それを見て。
兵達も民達もだ。驚いて言った。
「な、何だ!?」
「何が起こったんだ!?」
「舞台に化け物がいるぞ!」
「何だあいつ等!」
「真打登場!」
「皆待たせたわね!」
その破壊された舞台にだ。彼女達はすくっと立っていた。
そうしてだ。こう言ったのである。
「愛と正義の美少女戦士!」
「月に代わってお仕置きよ!」
「黙れ妖怪!」
「そうだ、ふざけたこと言うなってんだ!」
あの三人組が怒ってだ。その舞台に飛び上がってきた。
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