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ライブジャスティスシリーズ

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十香スクライド/本当の自分

静寂の歓楽街、三日月の夜にそれは現れた。

ゴオオォォォ!!

突如として吹き荒れ、廃墟を破壊する衝撃波、それに巻き込まれ、次々と姿を消していく二ベルコルの大群。

バーナビー「二ベルコルを……一瞬で……」
ワイルドタイガー「なんて滅茶苦茶なパワーだ、ハンドレッドパワー状態の俺たちを吹き飛ばすなんて……」
ブルーローズ「士道、一体あれは何なの!!」
タロウ「強烈な闇の力を感じる、まさか……」

士道はその手に封解主を手に重々しく告げた。

士道「あれこそが精霊の真の姿、霊結晶の反転によって生まれる、魔王だ」

怪しく輝く三日月を背後に……

禍々しい姿と剣を手に不敵な笑みを浮かべる十香が浮かんでいた。



出撃1時間前

琴里「まさか、アイザックが二ベルコルを差し向けて来るとはね」

ロリポップを噛み潰し、少々キレ気味で棒をモニターに投げつける。

エルフナイン「あのー、一応はモニターもこれしかないので大事に……」
琴里「わかってるわよ、それよりもゼロスーツの調整終わったんでしょうね?」
ヤプール「問題ねえ、すぐにでも出撃できるさ」

琴里はもう一つのロリポップを取り出し、ビニールを剥がす。

琴里「タイガーとバーナビーのスーツにシールドを追加しなさい、恐らく相手からしてそのスーツの装甲は耐性が甘すぎる」

出撃前の中、整備されるスーツを見物するカリオストロ。

二亜「面白いと思わないかい?他の世界の技術」

片手に囁告篇帙(ラジエル)を手にカリオストロの前に二亜が現れる。

カリオストロ「その本、アイザックの……」
二亜「ああ、本来ならアイザックの持つ神蝕篇帙(ベルゼバブ)はあたしの魔王なんだ、そしてこれがオリジナルと言える囁告篇帙(ラジエル)。あたしの天使さ」

カリオストロは二亜の持つ天使こそがオリジナルと知り、少し驚いていた。

無理もない話精霊のには反転態と言う能力もカリオストロには伝えられていなかったからだ。

カリオストロはこの事を知るとある一つの核心に気付く。

カリオストロ「まさか、霊結晶には天使と魔王の二つの側面があって、それはセフィロトの樹とクリフォトの樹の順番ごとに存在してるんじゃ……」
二亜「流石、鋭い洞察力だ。その名の通りあたしの天使と魔王はセフィロトとクリフォトの2番目に該当する、そして神蝕篇帙はあたしの絶望によって生まれた能力、それをアイザックに取られちゃったのさ」

カリオストロ「ますます精霊について知りたくなるわね、えっと……」

二亜「本条二亜、二亜って呼んでよ、カリオちゃん」
カリオストロ「カリオちゃんって……まあ、いいわ、よろしくー」

その一方

士道「……」

一人霊結晶を手に難しく考える士道、彼の中には戦う度に考え込む事が多くなった。

士道(間違いない、あれは俺じゃない誰かの記憶、でも、俺はその名前を思い出さなきゃいけない気がする、大切な誰かを……)

あの時、カリオストロとの交戦をきっかけにもう一つの記憶が開いた。

それは巨大な空間震の中、一人の少女を助ける士道と瓜二つの少年。

そしてその記憶には真那と思われる少女もいた。

士道「あれは俺なのか?」

未だに自分の中では整理が付かない、でも一つだけわかるのはあのゼロスーツに入っている間だけ、自分が別の誰かとして記憶が戻っている事だけだった。

スーツを脱げば微かに残る違和感を次第に積み重ねていけば恐らくそれに辿り着く、そう考えていた。

十香「難しい顔をしてどうした、シドー」

ひょっこりと顔を見せる十香に士道は慌てて霊結晶を隠す。

士道「ああ、別に、ちょっと考え事してただけだ」

十香は士道の様子を察すると横に座る。

十香「そう、隠すものではない、シドーが私たちを守るように、私にもシドーを守る責務がある。当然シドーが悩むならそれを私にも聞かせてくれないか?」

士道は十香の言葉にも一理あると思いつつも左手に隠した霊結晶を握る。

士道(ファントムとの約束だ、破る訳にはいかない)

士道はこの大きな約束を伝えない事にしてはぐらかす。

士道「レイオニクスの力の事、許せなくて……」
十香「そうか、あれは人への冒涜だ、私も許せない」

この言葉の後、二人に向かってエルフナインが走って来る。

エルフナイン「皆さん、出撃準備出来ました」
士道「ご苦労だった、行こう、十香」
十香「よし」

お互い転送装置を起動し、現場に向かう。

現場付近に転送されたタイガー、バーナビー、タロウ、ローズ、十香、ゼロ。

移動を開始するとそこには……

二ベルコル「ご無沙汰ですね、ライブジャスティスの皆さん」

歓楽街の中庭のオブジェに腰をかける、7体の二ベルコルが待ち構えていた。

ゼロ「随分と余裕そうだな、俺達を前にして」

二ベルコルは左手に構えた神蝕篇帙・頁(ベルゼバブ・イェレッド)に謎のオーラを纏わせていた。

臨戦態勢に入る両者、この時彼女たちはまだ知らなかった。

十香に眠る悍ましい暴虐の王の姿を。

ゼロ「お前たちに教えてやる、これが3番目のアドヴァンスゼロだ」




 
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