| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ライブジャスティスシリーズ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

十香スクライド/裏切りの二人

デウス・エクス・マキナの襲撃事件から2日


フラクシナス 隔離室

カリオストロ「ここに来て、まさか収容されるなんてね」
イースナ「信じないのも当然じゃ、敵幹部ともなれば警戒は尚更解けぬ」

2日間の間、隔離室でベッドと食事だけを与えられて自由を奪われた生活。
装備やタブレットも全て取り上げられ、何もするなと言わんばかりの待遇だ、少なくとも自分の要求に応えてくれるだけまだマシだが。


カシャッ!!

すると突然扉のロックが解除され、一人の精霊がやって来る。

イースナ「お主は……」

押収されたスペルキャスターとグラスギアを手にやって来たのは星宮六喰だった。

六喰「出てよいぞ」
カリオストロ「ええ!!」
六喰「現時刻を以って監察期間を終了とする、二人とも反逆の可能性もあった為にこの様な処置も必要だった、すまぬ」
カリオストロ「試されてたわけね、寧ろそこまでするなら納得だわ」
イースナ「確か第六の精霊……」
六喰「星宮六喰じゃ、一応お主らの監視官としてずっと様子を伺っていた」

六喰は二人にスペルキャスターとグラスギアを返却し、二人に告げる。

六喰「今後、お主らにはライブジャスティスの作戦に正式に協力してもらう。主に戦闘要員としてきっちり動いてもらうぞ、良いな」

二人はそれを承諾し、六喰にミーティングルームに案内された。

ミーティングルームに集まったヒーローたちの前には大きなプロジェクターが張られており、これから行われる事を察する。

カリオストロ「あーしが奪った情報を公開するようね」

情報ファイルを凝視すると後ろから銃型の指を突き付けられる。

クリス「こうしてお前と手を組むとはな、錬金術師の端くれ」

背後に居たのは雪音クリス、同じく神堂慧理那が立ち会う。

カリオストロ「本気で対立するつもりは無いけど、信じてくれない?」
クリス「いや、六喰の判断したのならあたしはそれを信じる」
慧理那「私もイースナちゃんを信じる、今は少しでも味方が欲しいから」

歪な形である物のお互い信じる方針を取る。

そしてミーティングルームに令音たちがやって来るとカリオストロのタブレットを接続し、ミーティングが始まった。

令音「これから見て頂くのは、デウス・エクス・マキナのレイオニクス計画の全貌です。一部心臓に悪い実物写真が存在しているのでお覚悟を」

そして液晶に映し出されたのはDNAの構築資料だった。

令音「これは一般的な人間のDNA、そしてこれがレイオニクスのDNA。どちらとも基盤構造が一致せずとても地球の生物とは一線を画す情報量です」
カリオストロ「本来ならこの遺伝子情報じゃあ、ほとんど合致する生物は地球上に存在しない、言わせてみれば水と油の関係よ、正に悪魔の遺伝子」

令音は更にもう一つの情報を開示する。

令音「ですがこのDNAはありとあらゆる生物に投与することで多くの生体情報を書き換える、そして生物がそのDNA基盤を持つことである種の超能力を発揮することができる」
カリオストロ「それこそが次元への干渉能力、これは物理的に次元を観測したり、その次元の事象を不完全ながらもコントロールする恐るべき能力よ」

令音「一方で大きなリスクも存在する、これから見せる写真は余りにも醜い。覚悟が決まらない人は目を背けて構わないわ」

すると液晶に映ったのはレイオニクスの実験に利用された子供の死体だった。

全員「!!!!!!」

その余りの惨い写真に全員が戦慄する。

カリオストロ「レイオニクスの遺伝子は人間に投与するとほとんどの確率が脳が肥大化する。そもそも生体情報を書き換える以上はこうなって当然、つまりレイオニクスの力はそう簡単に人間では使えない、極一部の例外を除いてね」
クリス「一部の例外?」

カリオストロは席から立ちあがり、指を鳴らすとギガバトルナイザーと2体のスーツの情報を開示する。

カリオストロ「本来なら扱えるはずのないレイオニクスの力は、この世界の精霊の力を同時に取り入れる事で生体情報にある程度のセーフティーをかけることが出来る。そして次元干渉も専用のサポートデバイスを介しての能力発動によってより負荷の無い形で使用することが出来る。アイザックはこの事実を知り、神蝕篇帙とレイオニクスの力を同時に使う事によって彼は力をモノにした。そして恐らくは人間に二ベルコルの力を埋め込む事でも同じ理論として成立する。アイザックはこれでレイオニクスの大部隊でも作るつもりだったかもしれないわね」

そしてイースナが説明を続ける。

イースナ「それを妾たちはレイオニクス兵器と呼んでいる、その兵器こそがこのレイオニクススーツ・アーマードダークネスとウルトラマンスーツverベリアルじゃ」

進次郎「ウルトラマンスーツ!!」
ジャック「よりにもよって向こうにもウルトラマンスーツが……」

ミーティングはざわつき、デウス・エクス・マキナがウルトラマンスーツを開発していた事に絶句する。

響「じゃあ、向こうもウルトラマンスーツの技術を……」
弾「通りでおかしいと思った、エースロイドの多くが指揮官式の操作型部隊なのも、即ちウルトラマンスーツの情報を抜き取ってこの兵器を開発するための捨て駒だった訳だ」
虎徹「人間散々実験台にしまくって作った兵器がウルトラマンな訳ないだろ!!」
光太郎「全くの同意見だ、許さない」

カリオストロはその言葉を最もだと思いつつも次の情報を開示する。

カリオストロ「何より、この兵器が後に量産され、多くの人間が半精霊のレイオニクスとなる事で次元の多くに攻撃をかける恐ろしい結末になったと思う、それだけ次元への干渉行為が危ういモノか、あーしでも理解できるわ」
アントニオ「少なくとも大惨事だよなあ、他の世界に攻撃できるってのは」
イワン「僕から見てもこの計画は大いに止めるべきだと思う、」
カリーナ「もう、元の次元に戻るとか言ってられないわね」
バーナビー「これは早期に対処する事案です、デウス・エクス・マキナ襲撃をかけるべきだ!!」

大きく声を荒げるチームを止めに入ったのは……

総二「皆落ち着け、気持ちは分かるけどまだこっちはそれなりの準備が出来ていない」
愛香「それに、こっちはグランドキングとの戦いで大きく消耗してるし」
翼「二人の言葉が正しい、今はそれなりの準備が必要だ」

そしてカリオストロは最後の情報を開示する。

カリオストロ「これはグランドキングのパーツから取り出した記憶データ、にわかには信じられないけど、あーしたちはグランドキングを介して次元への干渉に成功しているわ」

折り紙「じゃあ、他の世界も」
琴里「詳しく話して」

カリオストロ「あーしたちが見た次元はまるで一本の線から複数の線によって構成された樹のような物だった、そこにはあーしの知らない別次元のヒーローたちの世界が存在しているわ。そして何よりそれが3本の独立した一定の区切りとして存在している。その区切りの一つが、ウルトラマンの世界よ」
四糸乃「どういう事?」
二亜「つまり、あたしの解釈で言えば、ウルトラマンの世界は進次郎たちの世界だけじゃなく、複数の分岐したパラレルワールドが存在するって事かな?」
カリオストロ「真っ当な解釈ね」
狂三「ウルトラマンの世界も複雑なのですね」
七罪「まるでSF映画ね」
美九「理解できそうにないですね」
夕弦「訂正、理解しようとしないからじゃないですか」
耶俱矢「なんで、あたしを見るんだよ?」

カリオストロは頭を悩ませながら、話を続けた。

カリオストロ「結局は……」
十香「アイザックを止めるほか方法は無いという事だろう?」

真っ直ぐな眼でカリオストロを見つめるのは、霊装を身に纏った十香だった。

士道「何かあったのか?」

十香「出撃だ、備えよ……」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧