夢幻水滸伝
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第二百十六話 無何有郷その十
「ことは成せる」
「特に政はですね」
「権謀術数は使うもんや」
「そうしてことを成します」
「しかし使うのを嫌うモンもおって」
「マロリーさんはですね」
「そうしたタイプや、欧州にも謀略家はおるが」
それでもというのだ。
「あの御仁はちゃう」
「そういうことですね」
「騎士道は基本的に正々堂々や」
そうした考えだというのだ。
「そやからな」
「マロリー君は卑怯なことはせん」
「卑怯でも何でも国益を得る」
アルフィアンはこう言った。
「そうした考えやないってことですね」
「そや、そやからイングランドの統一は遅れてる」
「謀略を使われない分」
「そうなってる、しかしやがてはな」
「そのイングランドもですね」
「統一される」
そうなるというのだ。
「間違いなくな」
「遅れてるだけですか」
「そや、やがてはな」
必ずというのだ。
「イングランドも他の国もな」
「統一されて」
「欧州自体がな」
「一つになりますか」
「そうなる、先のことでもな」
「では欧州のことは」
「彼等に任せる」
そのマロリー達にというのだ。
「円卓の誓いをした面々にな」
「欧州は欧州ですね」
「今はな、それでな」
「我々はですね」
「私達のことをやってく」
「それが今ですね」
「そういうことや」
まさにというのだ。
「ほなな」
「はい、これからもですね」
「南洋を発展させて軍を整えてな」
「移動要塞もですね」
「建設してく」
こう言ってシンガポール上空に位置させた浮島を改造して移動要塞にしていった。そうしてであった。
リーはシンガポールに集結した水軍を見ても語った。
「これからは帆船やない」
「蒸気船や」
「そや」
シェリルに対して答えた。
「そう思ってや」
「最新型の蒸気船を造る様に言うてな」
「実際にそうしてる」
「この通りな」
「見事なもんや、しかしな」
「この蒸気船もな」
「アメリカの船と比べるとや」
この世界の最先進国であるこの国と、というのだ。
「もうな」
「あまりにな」
「差が開いてる」
「あそこはもうディーゼルでや」
シェリルはそのアメリカの軍艦の話をした。
「そしてや」
「そのうえでな」
「連装の回転砲塔でや」
それでというのだ。
「艦橋で指揮を行ってな」
「レーダーも装備されてる」
「空母まである」
「当然航空機もな」
「こっちは大体一八六〇年代位か」
起きた世界でも例えた。
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