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八条学園騒動記

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第六百三十四話 店じまいその十一

「やっぱり肉好きでな」
「焼いたお肉がだね」
「一番好きでな」
 それでというのだ。
「後夜祭の時も」
「焼いたお肉食べて」
「それで飲みたいな」
 その肉を肴にしてもというのだ、肉も好きだがそれと一緒に楽しむ酒もまたいいということであるのだ。
「ワインをな」
「お肉とワインだね」
「この組み合わせがいいからな」
 マチアはマルコに笑顔で話した。
「そうだろ」
「悪くないね、というか」
「お前も好きだろ」
「その組み合わせもね」
「焼いた肉とな」
「ワインだね」
「それも色のあるな」
 要するに白以外だというのだ。
「そのワインをな」
「飲むんだね」
「特に赤だ」
 この色だというのだ。
「肉食って赤ワインを飲む」
「そうしたいんだね」
「後夜祭の時はな」
「串焼きとかかな、それじゃあ」
「あとシェラスコだな」
 このブラジルの料理もというのだ。
「いいな」
「そちらもなんだ」
「ああ、兎に角肉食ってな」
 そうしてというのだ。
「ワイン飲みたいな」
「後夜祭の時は」
「そうしたいな」
「そうなんだね」
「それとデザートはな」
 こちらの話もした。
「アイスクリームだな」
「そのお菓子だね」
「それだな」
「どれも後夜祭に出るしね」
「そうだろ」
「だからだね」
「そういったものを楽しみながら」 
 そうしてというのだ。
「見たいな」
「そうなんだね」
「くつろいでな」
「静かにかな」
「そんな気持ちだ」
 実際にというのだ。
「今の俺は」
「わかったよ、ただね」
「どうした」
「いや、マチアってお酒飲む時とか食べる時って賑やかじゃないね」
 マルコはこのことを指摘した。
「見ていたら」
「子供の頃からだ」
「そうなんだ」
「飲んで食う時はな」
「静かになんだ」
「それがいい、家もな」
「ご家族もだね」
 マチアの言葉に応えた。
「そうなんだね」
「そんな家でな」
「だからなんだ」
「普段は賑やかでも」
 そうした家庭でもというのだ。 
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