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八条学園騒動記

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第六百三十四話 店じまいその十二

「食事の時はいつも静かだったからな」
「それでなんだ」
「俺もな」
「飲んで食べる時はだね」
「静かなのがいい」
 その方がというのだ。
「本当にな」
「そうなんだね」
「賑やかな国だけれどな」
 マチアは笑って祖国の話もした。
「アルゼンチンは」
「そうしたお国柄だね」
「連合の中でも特にな」
 明るい国民性の国が圧倒的に多い中でというのだ、ただし三百以上の国の中には静かな国もあるということだ。
「それでもな」
「食事の時は」
「俺はそうだ」
「そうなんだね」
「肉を食う時もな」
 大好物のそれをというのだ。
「音楽がかかっていても」
「耳に入らないんだ」
「一人で静かにな」 
 そうしてというのだ。
「食っている」
「そうなんだね」
「だから今日もな」
「食べて飲みながら」
「静かにな」
 その様にしてというのだ。
「そうしていく」
「そうなんだ」
「それが楽しみだ」
「マチアは静かに食べる主義ってことだね」
「飲む時もな」
 その時はというのだ。
「そうしている、そして飲む酒はワインがな」
「さっき言った通りにだね」
「一番好きだ、どうもビールはな」
 この酒はというと、言うまでもなくこの時代でもよく飲まれていて連合各国でも広く飲まれている。
「俺は好きじゃない」
「ワイン派なんだ」
「今はプリン体ゼロでな」
 ビールは元々それが多いがだ。
「しかしな」
「それでもだね」
「あまり酔わないからな」
 飲んでもというのだ。
「だからな」
「好きじゃないんだ」
「泡は嫌いじゃないが」
 ビールといえば泡だがだ。
「しかしな」
「あまり酔わないからだね」
「痛風になる心配がなくなってもな」
「痛風ね」
「あれは怖いからな」
 だからだというのだ。
「なると」
「物凄い痛いんだよね」
「そうらしいな」
「まず足の親指の付け根がね」
 この部分がというのだ。
「小指の場合もあるらしいけれど」
「万力で締め付けられるみたいに痛くなってな」
「それでそこから風が当たっただけで」
 そよ風でもだ、そして人と肩が触れ合ってもだ。
「大人の男の人が泣く位痛がって」
「そうらしいからな」
「怖いよね」
「なりたくない」
 絶対にというのだ。
「俺はな」
「そのことからもビールは飲まないんだ」
「もう飲んでもならないがな」
 プリン体がなくなっていてだ、痛風はプリン体を多く摂り過ぎるとなってしまうのだ。
「それでもな」
「そのお話も聞いて」
「ビールよりだ」
「ワイン派なんだね」
「そうだ、味も好きだしよく酔える」
 飲むと、というのだ。 
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