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ドリトル先生と幸せになる犬

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第十二幕その三

 先生もふわりと遊びました、彼女の前の飼い主の人達とのお話をした後はそうしました。そのうえでお家に帰りましたが。
 お家に帰ると動物の皆は先生に言いました。
「よくわかったよ」
「何であの人達の命運が決まったかってね」
「先生が何故そう言ったか」
「よくわかったよ」
「そうだね、飼育放棄をして平気で捨てる人達はね」
 先生は皆に答えました。
「育児放棄も平気でだよ」
「するのね」
「ふわりにそうして」
「今度は自分達の最初の赤ちゃんにした」
「そういうことね」
「また次のおもちゃが手に入ったから」
「そうだよ、けれど人間の赤ちゃんにそうしたら」
 まだ一歳の子供に育児放棄をすると、というのです。
「命に関わるからね」
「一歳ってまだ赤ちゃんだよ」
 こう言ったのはジップでした。
「歩けるか歩けないかどうか」
「そんな子に育児放棄なんかしたら」
 どうなるか、トートーは怖くなりました。
「死ぬかも知れないよ」
「お風呂に入れないでおむつ替えるのも拭くのも適当って」
 チーチーは呆れています。
「どれだけ汚いか」
「しかもお掃除しないお部屋にずっと置いたままだよね」
「ベッドに寝かしたままで」
 チープサイドの家族も言います。
「ミルクも適当で」
「何かあってもおかしくないよ」
「あの、自分達の子供何と思ってるの?」
 ガブガブは心から思いました。
「本当におもちゃなのね」
「その赤ちゃんが参るからふわり捨てたんだよね」
 ホワイティはこのことを指摘しました。
「命捨ててそれで守った命をそうするってね」
「もう守ってるんじゃなくて完全におもちゃで遊んでるだけで」
 ポリネシアも言いました。
「子育ても家族として一緒じゃないのね」
「間違いなくそうだね」
 ダブダブも確信しました。
「これは」
「いや、ペットを飼う資格も子供を持つ資格もない人達だったんだね」
「本当に餓鬼だね」 
 オシツオサレツは断言します。
「この世のあらゆる生きものでも最低だよ」
「餓鬼でしかないよ」
「命の価値なんて何とも思ってなくて」
 老馬も言いました。
「おもちゃとしか思ってないんだね」
「全くだよ、ふわりは殺処分になりかけてね」 
 保健所に捨てられてです。
「今度は一人目の赤ちゃんがね」
「まだ親の手が必要なのに」
「ずっと一緒にいてもらわないと駄目なのに」
「ほったらかしで」
「それでどうなるかわからない状況だね」
「その危機が終わるよ、しかし」
 先生はこうも言いました。
「彼等は破滅すると前にお話が出たけれど」
「命運が決した」
「そうなってね」
「それでそれが破滅だってね」
「皆でお話したね」
「そうだよ、育児放棄は法的にも社会的にも実証されれば極めて深刻な事態だからね」
 そうだというのです。
「飼育放棄はペットということで人間に対してよりはましだけれどね」
「だからあの人達も生きていけたね」
「親戚全員から縁切られてインスタグラム炎上してご近所から嫌われても」
「会社とかは続けられたね」
「けれど育児放棄は致命傷だよ」
 その社会的生命にとってというのです。 
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