ドリトル先生と幸せになる犬
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第十二幕その一
第十二幕 家族とは何か
先生は国崎さんのお家を訪問してそのうえでふわりの前の飼い主の彼等のお話をしました、するとご主人もこう言いました。
「実はあいつ等の旦那の方の職場の人達もです」
「そうしたことをですか」
「はい、あの連中の家に二人目が産まれたことのお祝いに行って」
「そこで、ですね」
「見たそうです」
「やはりそうですか」
「もうその時に証拠の写真や映像も」
どれもというのです。
「撮ったそうなんで」
「だからですか」
「先生にもお話を聞きましたし」
それでというのです。
「もうです」
「このことはですね」
「弁護士の兄貴にも話して」
そうしてというのです。
「あいつ等に引導を渡して」
「そのうえで」
「あの子達を助け出します」
「宜しくお願いします」
先生も応えました。
「人命にも関わることですし」
「余計にですね」
「慎重ですが迅速に」
「そして確実にですね」
「ことを進めて下さい」
「そうします、こうなると思っていました」
ご主人は先生に苦り切ったお顔で言いました。
「あんな連中ですから」
「だからですね」
「ええ、何時かはと」
「そうですね、飼育放棄をした時点で」
「大体わかりますね」
「ペットの飼育放棄をしたならです」
「今度は育児放棄ですね」
ご主人はこの言葉を出しました。
「それをしますね」
「動物を虐待する人はです」
「人間もそうしますね」
「はい、残念なことですが」
先生は沈痛なお顔で言いました。
「そうするものです」
「そこでもうそいつの碌でもない本性が出るんですね」
「弱い者いじめをする人も」
「後々碌でもないことをしますね」
「物事には常に前兆があります」
「あいつ等にとってはふわりにしたことですね」
「昔からそうした人達だったのですね」
先生は彼等がふわりを飼う以前のことをお話しました。
「そうでしたね」
「そうでした」
実際にというのです。
「子供の頃からです」
「命を何とも思わないで」
「思いやりもなくて無神経で幼稚でして」
「おもちゃも飽きたらですね」
「飽きっぽくてすぐに捨てていて」
「自分勝手で浅ましかったのですね」
「そうでした」
実際にというのです。
「本当に」
「そうでしたか」
「ふわりを飼った時も捨てるって思いました」
今は動物の皆と楽しく遊んでいるふわりを見て言いました、ふわりは皆とすっかり仲良しになっています。とても性格のいいふわりは彼等の人気者にもなっているのです。
「そうしたらそうでしたし」
「今度もでしたね」
「二人目が産まれたらその瞬間に」
まさにというのです。
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