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八条学園騒動記

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第六百三十三話 幸い来なかったその九

「あいつ等も」
「そう考えると卑劣なことだね」
「子供を洗脳して利用するなんてな」
「自分の手駒にするとか」
「だから俺は嫌いだ」
 マチアの声は強いものになった。
「本当にな」
「そうだよね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「カルトかどうかを見極めないとな」
 さもないと、というのだ。
「駄目だな」
「全うな宗教ならいいよね」
「ああ、仏教にしろキリスト教にしてもな」
「他の宗教にしてもね」
「全うならな」
 それならというのだ。
「いいんだよ」
「そうだね、全うならね」
「カルトと健全な宗教の違いは」
 マチアは強い声で話した。
「煽る、そして金にな」
「ああ、お金をやたら求めたら」
「もうな」
 それはというと。
「インチキでな」
「カルトだね」
「大体お坊さんなんて質素な暮らししてるだろ」
「神様に仕える人も仏様に仕える人もね」
「精霊に仕えてもな」 
 スー族の信仰では神ではないのだ、精霊となっているのだ。これはスー族の信仰の大きな特徴である。
「同じだな」
「聖職者だとね」
「質素だな」
「どの宗教でもね」
「お布施で生きているからな」
 信者達からのそれでだ。
「だったらな」
「質素だよね」
「それが普通だ」
 聖職者ならというのだ。
「イスラム教にはいないけれどな」
「あの宗教はね」
 これはイスラム教の大きな特徴の一つだ、ただしシーア派には聖職者が存在する宗派も存在している。
「そうだね」
「法学者はいるがな」
「聖職者はいないからね」
「あくまで世俗の宗教だからな」
「そこは徹底してるね」
「それでな」
 マチアはさらに言った。
「金を求めるのはな」
「おかしいよね」
「そうした教団の教祖はな」
「大抵お金大好きだよね」
「金が好きでな」
 そしてというのだ。
「色に権力にってな」
「滅茶苦茶俗物だよね」
「そんな奴ばかりだ」
「それで」
 マルコはふと気付いたことがあった、そしてその気付いたことを指摘した。
「教理やけに厳しいね」
「あれするなこれするなか」
「食べるものがどうとか」
「異様に厳しいな、そういえば」
 カルト教団の教理はとだ、マチアも頷いた。
「ああした教団は」
「そうだよね」
「そう言っていてな」
「教祖とかはね」
「肥え太ってるからな」
「お金に権力に色で、って」
「それで美味いものも食ってな」
 信者達には粗末なものを食わせてだ。 
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