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夢幻水滸伝

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第二百十五話 共同統治その十

「それなら」
「そやろか」
 ハウオファはグレイカスに疑問の言葉で応えた。
「そうなるやろか」
「そやと思うで、僕は」
「そうなんか」
「おなごの肌もええのう。まあおなごは婿殿でなく愛人になるが」
 碧は日本酒を漆塗りの大杯で飲みつつ言った。
「それでもじゃ」
「松尾さんともですか」
「悪くないかもな」
 グレイカスに応えた。
「それも」
「そうですか」
「まあそのことは置いておいて」
 そしてと言うのだった。
「わらわは強い相手と戦うのも好きじゃ」
「そのまま少年漫画の主人公ですね」
 ズーは焼きそばを食べつつ笑って突っ込みを入れた。
「その思考は」
「そうか」
「はい、ただ男好きなので」
「完全な処女じゃ」
「それでもですよ」
 いつも言っているからだというのだ。
「そこは青年漫画ですね」
「わらわはそうか」
「はい、最近の日本の少年漫画では普通かも知れないですが」
 それでもというのだ。
「国木田さんは青年漫画ですね」
「そうかのう」
「どちらかといいますと」
「そうなんじゃな」
「仲間になってくれたら頼もしいが」
 リーは白ワインを飲みつつ述べた。
「しかしな」
「わらわのそうしたところがか」
「気になるわ」
「そうか」
「ああ、どうにもならんな」
「婿殿を探してるだけじゃ」
 やはりどうにもならないという感じだった。
「それだけじゃ」
「そうか、やっぱりな」
「まあ婿殿が来てくれて」
 そしてというのだ。
「祝言をあげたらな」
「それでか」
「毎晩床を共にするだけで」
「言わんか」
「そうじゃ、もう四十八手も他の技も頭に入れちょる」
 牡蠣フライを食べつつ笑顔で言う。
「後はそれで婿殿を堪能させるだけじゃ」
「そやからそう言うのがじゃ」
「あかんか」
「そう言うてるがな」
「これが碧ちゃんやけどな」
 シェリルは牡蠣を塩胡椒で味付けしオリーブオイルで焼いたものを食べている、そうしつつ言うのだった。
「確かに赤裸々や」
「シェリルちゃんもそう言うか」
「引く時もあるわ」
 実際にというのだ。
「私も。ただ嫌いやないで」
 食べながら笑顔で言った。
「むしろ好きや」
「わらわのことがか」
「思いやりがあって親分肌であっさりしてるからな」
「それでか」
「好きやで」
「では床を」
「それはせんけどな」
 このことはきっぱりと否定した。
「そうした趣味はないから」
「ならそれはな」
 碧もそれならと返した。 
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