夢幻水滸伝
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第二百十五話 共同統治その九
「困りますが」
「それでもじゃな」
「確かに国木田さんはいい奥さんになりますね」
「大和撫子を目指してるけえ」
「それで、ですか」
「そうした修行もじゃ」
花嫁修業もというのだ。
「してるけえ」
「そうですか」
「あと合気道や古武術もしちょる」
こちらの修行もというのだ。
「護身でじゃ」
「古武術ですか」
「こちらの世界でも使ってるけえ」
そうした体術をというのだ。
「合気道にしてもな」
「ご主人強いよ」
因幡の白兎が碧の左肩に出て言ってきた。
「格闘も」
「まさに鬼神の如く」
「そうそう、多分松尾さんと互角に闘えるから」
「日本にいるあの人と」
ブッパースウォングは日毬の名前にも応えた。
「互角ですか」
「そうだよ、あの人も物凄く強いけれど」
「一騎打ちでは星の人の中でも最強格だとか」
カイも言ってきた。
「あの人ともですね」
「一度手合わせしたいのう」
碧もまんざらではない顔であった。
「日毬ちゃんと」
「かなりのお強さで」
同じ剣士の職業にあるモレイが言ってきた。
「真の武士だとか」
「そうした相手と手合わせしてこそな」
「ええですね」
「わかってるな、自分」
「それがしも剣士なので」
それ故にというのだ。
「そのつもりです」
「そうなんじゃな、おなごでも」
碧はここでにんまりと笑って言った、酒も今の時点で結構以上に入っているので顔も赤くなっている。
「床を共にするのもええのう」
「あの、同性でもええんですか」
「?おかしいかのう」
碧はモレイの引いた言葉にきょとんとした返した。
「日本でそれで捕まった人おらんが」
「ああ、日本ではですね」
「古今そっちもの人は多かったけえ」
「新選組でもありましたね」
「そうじゃ、まことにじゃ」
同性愛はというのだ。
「日本では普通じゃった」
「それで、ですか」
「おのことは婿殿だけじゃが」
それでもというのだ。
「おなごだったらのう」
「いいのですか」
「性別が違えば浮気にはならんけえ」
「そうですか?」
モレイは碧の今の言葉に心から首を捻った。
「そうなりますか?」
「いや、ならへんやろ」
ハウオファがモレイに言った。
「相手は一人やないと」
「そうでありますか」
「いや、男の人は一人なのはええけど」
「結婚したらお一人なのは」
「そのことはええにしても」
それでもというのだ。
「ただ他の人と、というのは」
「いや、性別が違うならええんちゃう?」
グレイカスはこう言った、三人共日本酒を飲んでいるがその飲みっぷりは結構以上なものであり実に美味そうに飲んでいる。
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