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夢幻水滸伝

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第二百十五話 共同統治その八

「紅葉饅頭じゃ」
「デザートはそれですね」
「そうじゃ、紅葉饅頭は最高じゃ」
 この世界の安芸の酒を飲みつつ言った、柑橘類のデザート以外にもその紅葉饅頭も存在感を見せている。
「中身ものう」
「餡子以外にですね」
「チョコやクリームもある」
 カスタードクリームがというのだ。
「どれも美味しいわ」
「だからお好きですか」
「そうじゃ」
 こう言うのだった。
「そちらものう」
「そうなんですね」
「だから食べるんじゃ」
「それはええんですが」 
 モレイが言ってきた。
「国木田さんお好み焼きにこだわりがありますね」
「凄くのう」
 否定しない返事だった。
「お好み焼きはこれじゃ」
「広島のものですね」
「大阪のは大阪焼きじゃ」
 それになるというのだ。
「お好み焼きじゃないけえ」
「そうなんですね」
「ただ嫌いじゃない」
 そちらもというのだ。
「だから用意してるけえ」
「こっちも美味しいですね」
 見ればマーガレットは大阪のお好み焼きを食べている。
「ほんまに」
「焼きそばもまた」
 ダーガーはこちらを食べている、ソース焼きそばでその中には海老や烏賊、キャベツそして牡蠣がある。
「ええですね」
「うち等関西人ですさかい」
「やっぱりこっちがお好み焼きですね」
「大阪の方です」
「そっちの方がええですね」 
 瑠璃子と紗枝、雅美、由香も大阪の方を食べている。
「広島もええですが」
「大阪がやっぱり本来のお好み焼きで」
「広島は広島の」
「そうした感じですね」
「地域の違いじゃな」
 碧は今度はその広島のそれを食べつつ言った。
「それは仕方ないけえ、ちなみにわらわは花嫁修業でじゃ」
「それでか」
「お好み焼きを焼くこともしてるけえ」
 リーに応えた。
「得意じゃ」
「お好み焼き作りが花嫁修業か」
「わらわの家ではそうじゃ」
 生牡蠣をレモン汁で食べているリーに確かな顔で答えた。
「おなごは家事全般を見に着けて」
「その中でか」
「お好み焼き作りもじゃ」
 これもというのだ。
「しっかりとじゃ」
「身に着けてるか」
「そうじゃ」
 こう言うのだった。
「だから婿殿にはいつでも食べさせられるわ」
「お好み焼きをか」
「そして他の料理も」
「同じか」
「そうじゃ」
「そうか。自分はいい奥さんになるな」
 リーは碧のその話を聞いて静かに述べた。
「色々と問題はあるが」
「その赤裸々な発言が」
 ブッパースウォングは苦笑いで言った、食べているのは牡蠣フライだ。 
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