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夢幻水滸伝

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第二百十五話 共同統治その五

「そう思うか」
「それはな」
 実際にとだ、シェリルも答えた。
「言われてみるとな」
「そうなるな」
「白黒つけられんのも世の中や」 
 シェリルはここでもこう言った。
「勝ち負けがつかん時もある、それに絶対的な統治者を決める戦でもなかったな」
「どちらが上かだけでな」
「それやったら引き分けやと」
「同格やな」
「この世界でもお日様は一つやけど」
 太陽系のそれはというのだ。
「そやけどな」
「私達は太陽やない」
「それやとな」
「同格でもええな」
「それで統治の問題がないなら」
 それならというのだ。
「ええやろ」
「ほなな」
「私とリー君が共同で棟梁を務める」
 南洋のそれになるというのだ。
「そして星の他のモンは全員同格」
「どのみち私等以外は同格になったな」
「そやな、ほなな」
「その様にしてな」
「治めてこな」
「首都は何処にするかは」
「地の利が違い過ぎる、シンガポールでええやろ」
 南洋の首都はそこだというのだ。
「というか太平洋全体でな」
「首都はやな」
「シンガポールが一番やろ」
「あの街はそこまでの街やな」
「この世界一の貿易都市や」
 シェリルはシンガポールについてこうまで言った。
「そやからな」
「太平洋が統一された時もか」
「首都にしてもええやろ」
 こう言うのだった。
「もうな、そしてな」
「南洋の首都もやな」
「あそこ以外はないやろ」
 シンガポール以外はというのだ。
「ほなそういうことでな」
「そうか、ただ南洋も広いし」
 リーはシェリルの言葉に頷きつつさらに言った。
「それぞれの国や州単位でな」
「首都は定めるか」
「そうしてこな」
「そうして統治してくか」
「そういうことでな、まあ詳しい話は後にして」
「会議で決めるか」
「ここは南洋が統一された」
 リーとシェリルが同格の棟梁になる形でというのだ。
「それを決めたということで」
「この会談は終わりやな」
「そういうことでな」
 こう話してだった。
「ほな後は」
「仲間になったさかい」 
 敵同士から晴れてというのだ。
「宴やろか」
「ここでな」
「それやったらじゃ」
 シェリル達の後ろで瑠璃子達自称最強四天王と共にマトンやキーウィを楽しんでいた碧が言ってきた。意外と上品なマナーで食べている。
「わらわの大戦艦でどうじゃ」
「自分の船でか」
「そうじゃ」
 それでというのだ。
「大戦艦のシェフ達は凄腕揃いじゃ。お好み焼きも柿料理もあるけえ」
「広島か」
「わらわは広島生まれじゃけえ」
 リーに笑って返した。 
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