夢幻水滸伝
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第二百十五話 共同統治その六
「それならじゃ」
「広島の料理が一番か」
「こっちの世界では安芸じゃが」
広島県でなくというのだ。
「それでもじゃ」
「同じやからやな」
「それでじゃ」
だからだというのだ。
「そっちの料理がメインじゃ」
「そうなんやな」
「勿論他の料理もある」
広島の料理以外のものもというのだ。
「それもじゃ」
「食べられるか」
「和食も中華もイタリアもフレンチもスペインもタイもじゃ」
「タイあるか」
そのタイ人のスーンが目を明るくさせた。
「それはええな」
「ハンバーガーも食べられるけえ、アメリカの方もな」
「アメリカ料理も案外侮れんしな」
「この前イギリスにいってマロリーに婿にならんかと言って断られた時ご馳走したが」
その彼にというのだ。
「イギリス料理出して美味いと言われたわ」
「いきなり婿って言われたらな」
それならとだ、ロシティーも頷いた。
「誰でも引くわ、ましてあいつは奥手な方や」
「英国おのこは紳士と聞いたがのう」
「それ以前の問題や」
ロシティーの目は批判するものだった。
「いきなり婿になれで初夜も言うたんやろ」
「わらわが下、上、後ろ、口にとのう」
「赤裸々過ぎるわ」
「子供は五人、公平に愛情を注いで育てて」
「そこまで言ってはいって言う奴おるか」
「それで断られてじゃ」
そしてというのだ。
「折角来たからとご馳走したが」
「イギリス料理も普通に調理すればいいと」
ダーガーが言ってきた。
「そういうことですね」
「そうみたいじゃのう、鰊のパイとか鰻のゼリーは出さんかったが」
「あの二つは駄目かと」
メニュー自体に駄目出しをした。
「あとハギスも」
「スコットランドの料理じゃな」
「はい、ですが普通に調理しますと」
「イギリスは普通じゃないんじゃのう」
「残念ですが」
ダーガーらしく礼儀正しく相手を傷付けない様に述べた。
「もうそれは昔からで」
「それでじゃな」
「悪名が世界に轟いています」
「こっちの世界でものう」
「ですがちゃんと調理すれば」
それならというのだ。
「美味しいのですね」
「そうじゃな」
「食材もしっかりしていますと」
「それで彼も喜んでくれたけえ」
美味しいと、というのだ。
「よかったわ」
「それでこれよりですか」
「その大戦艦のシェフ達の料理と酒でじゃ」
「楽しもうっていうんやな」
シェリルも問うた。
「そうなんやな」
「どうじゃ、すぐに呼べるわ」
大戦艦はというのだ。
「ここにのう」
「大戦艦はシェリルさんが声をかけるとすぐに来るのですね」
ズーがこのことを問うた。
「そうなのですね」
「持ち主の思考を受けるとじゃ」
そうすればというのだ。
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