夢幻水滸伝
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第二百十四話 カーペンタリア湾海戦その十三
「まだ話は続く」
「今度は政ですね」
「そや、ほなこれからはな」
「会談でことを決めますね」
「戦では決まらんかったからな」
それでというのだ。
「今度はな」
「お話をして」
「それで決めような」
「わかりました、それでは」
「こうなることもあるんですね」
グレイカスは成程という顔になって述べた。
「戦で決めようとなって」
「その戦で決まらんこともな」
「あるんですね」
「そやからそれが世の中でや」
「政ですね」
「そういうことや」
こう言うのだった。
「お互いよお覚えていこな」
「わかりました」
「それで白黒ではな」
「決着がつかへんもんですね」
「それも世の中や」
「そうですか」
「そしてそれを受け入れんとな」
シェリルはさらに言った。
「世の中おかしくなる」
「白か黒かを決めると」
「時としてな」
「そしてその時としての見極めもですね」
「大事や、曖昧でええ時もあれば」
そしてというのだ。
「逆にや」
「はっきりさせなあかん時もある」
「そしてはっきりさせる具合もな」
これもというのだ。
「考えるんや」
「完全にするかどうか」
「悪い膿は出し切っても」
今度はこう例えた。
「血まで出すものか」
「膿だけでええですね」
「ある程度膿が混ざってる血は出してもな」
「血まで出すのは」
バイテが言ってきた。
「命に関わるかも知れませんね」
「そやろ」
「はい、確かに」
「そういうことや、そこの見極めがな」
これがというのだ。
「やっぱりな」
「大事ですか」
「見極める知恵もな」
これもというのだ。
「大事やってことや」
「そうですか」
「兎角世の中は単純やない」
シェリルはこの言葉の語気はやや強くさせた。
「そのことをわかってな」
「この世界でも起きた世界でも」
「そや、やってくで」
「わかりました」
バイテも他の者達も頷いた、そうしてだった。
シェリルは会談の用意を命じた、それはリーも同じで共に会談でどうしていくのかを決めることにした。
第二百十四話 完
2021・6・15
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