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夢幻水滸伝

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第二百十三話 敢えてその海にその九

「あの湾はな」
「そこに入って戦う」
「わかるな」
「はい、こちらにとっては辛い戦になります」
「そこまで考えてな」
「シェリルさんも言ってきましたね」
「あの娘も考えてる」
 こう言うのだった。
「勝つ為にな」
「自軍の劣勢を自覚されて」
「そのうえで戦を考えてるんや」
「敵を知り己を知る」
「そういうことや、それでその湾に入って戦うけどな」
 カーペンタリア湾、そこにというのだ。
「ほんまに敵の利は絶対や」
「その地の利はな」
 ロシティーは腕を組み真顔で述べた。
「完全にあっちや、しかし」
「こっちも相手を知ることや」
「敵を知り己を知るやな」
「そやからな」
 それ故にとだ、リーはロシティーに答えた。
「ここはな」
「湾のことをより調べる」
「シンガポール商人はこの世界各地で商いをしていて」
 そしてというのだ。
「特に太平洋がホームグラウンドや」
「それでオーストラリアのことも知ってる」
「カーペンタリア湾のこともな」
 まさにというのだ。
「それでな」
「あの地のことも詳しい」
「そうでな」
 それでというのだ。
「商人達から話を聞いて」
「そのうえで」
「湾のことを知る、より詳しく」
「そうして戦うか」
「そうするで」
 こうロシティーに話した。
「ええな」
「わかったわ」
「すぐに商人達からも話を聞いて」
「他にもやな」
「諜報部隊からもな」
「話を聞くな」
「そうする、湾のこと以外のオセアニア軍全体のことをな」
 こう言ってだった。
 リーは他の東南アジアの星の者達と一緒に諜報部隊や商人達からカーペンタリア湾それにオセアニア軍全体のことを聞いた。
 そして話を聞いて湾の地図浮島まであるそれを見て言った。
「さて、これでな」
「湾のことは全てわかりましたね」
「よおな、敵軍のこともな」
 共に地図を見るティンに話した、見れば他の星の者達も地図を見ている。
「わかった、敵の港や大砲の位置までな」
「全てわかりましたね」
「やはりカーペンタリア湾は敵にとって最高の場所や」
「迎え入れて戦うには」
「これ以上はないまでにな」
「敵を囲んで」
 ティンは湾の中そして外側の港と停泊している軍艦達も見つつ言った。
「そうするにはですね」
「絶好の場所や」
「まさにそうですね」
「そやからな」
 それ故にというのだ。
「ここに入ることは」
「敗北は必須ですね」
 ハリムはあっさりとした口調で述べた。 
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