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夢幻水滸伝

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第二百十三話 敢えてその海にその八

「その動きを封じるんや」
「それやとですね」
 チュットが応えた。
「ここはテレサちゃんが突入して」
「戦ってもらう、ただ碧ちゃんはアホやなくて」
 リーは彼女のことがわかっていた、少なくともある程度は。それで彼女の思考や行動も察しつつ話していった。
「備えもしておくやろな」
「備えですか」
「星のモンやなくても采配が出来るモンを連れて来て」
 そうしてというのだ。
「自分に何かあっても戦える」
「その様にもしていますか」
「そうかも知れん」
「そうですか」
「そややからな」
 それでというのだ。
「あの娘が戦闘に出て来るかも知れん」
「その時は私が相手することは」
「避けるんや」
 テレサに確かな声を送った。
「絶対にな」
「勝てる相手やないから」
「東南アジアで私以外にあの娘に一騎打ちで対抗出来るモンはおらん」
「そこまで強い」
「采配も戦闘もほんまにな」
「かなりの域なので」
「それでや」 
 どうにもというのだ。
「あの娘との一騎打ちは避けるんや」
「そうしますか」
「そや」
 こう言うのだった。
「ええな」
「それでは」
「そしてな」 
 リーはさらに言った。
「大戦艦中で暴れてな」
「あの艦を戦闘に参加させん」
「そうする、あの戦艦はこの世界最強の兵器の一つ」
 それだけのものだというのだ。
「神具にも匹敵するもんやからな」
「出来るだけですね」
「戦わんことや」
「わかりました」
 テレサも頷いてそうすると答えた。
「そうさせてもらいます」
「ほなな」
「そしてな」
 リーは言葉を続けた。
「カーペンタリア湾は湾内に幾つか港があり」
「そこにそれぞれ敵艦隊が停泊していますね」
 カイが言ってきた。
「そうですね」
「そや、しかも湾の北部は東西に半島が伸びてる」
「その為入り口は狭い」
「その狭い入り口に入るとな」
「そこから出るとなると」
「そや、敵が塞ぐと」
 その湾をというのだ。
「それでや」
「我々は袋の鼠です」
「それを狙ってな」
 包囲して倒す、それをというのだ。リーはカイに鋭い目になってそのうえでカイにさらに話していった。
「この湾での戦を考えていたんや」
「そうでしたね」
「そや」 
 それでとだ、リーは言葉を続けた。
「それでここで戦おうとな」
「言ってきましたね」
「この湾内は浮島も多いしな」
「空船を隠して」
「そして空から急襲するにも向いてる」
「まさに守る方にとっては適地ですね」
「そや」
 まさにというのだ。 
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