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ドリトル先生と幸せになる犬

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第七幕その七

「飼育放棄は許されないことだね」
「何があってもね」
「命なんだよ」
「幾ら自分達の赤ちゃんが産まれても」
「それまで可愛がっていたのにそんなことするなんて」
「人間性としておかしいよ」
「命は種類は別でも同じ価値があるんだ」
 先生は言いました。
「だから自分達の赤ちゃんもふわりも」
「一緒にだよね」
「愛情を注がないといけないわね」
「大事にしないとね」
「そうよね」
「それが普通なんだよ」
 こう言うのでした。
「本来はね」
「そうだよね」
「それが自分達の子供出来たらね」
「公平にしないとね」
「ましてや保健所に捨てるなんて」
「性根が見えているわ」
「こんな人達は子供が二人や三人出来たらね」
 先生はその場合もお話しました。
「出来がいい方を依怙贔屓したりしてね」
「出来が悪いと思ったら育児放棄」
「そうするのね」
「虐待したり」
「そんなことをするのね」
「今の日本では毒親という言葉があるけれど」
 所謂悪い親です、世の中残念なことにそう呼ぶしかない人がいることも先生は知っているのです。例え知りたくなかったことでも。
「まさにね」
「毒親だね」
「じゃあふわりの前の飼い主達もだね」
「将来毒親になるんだ」
「そうなるのね」
「そうなってもおかしくないね」
 実際にとです、先生は答えました。
「だって自分の娘って言っていたふわりを平気で捨てたんだよ」
「殺処分されかねない場所に」
「考えれば考える程酷いね」
「物凄い冷たさだね」
「本当に命を何と思っているのかしら」
「こうした人と付き合うと危ないよ」
 先生は皆に忠告しました。
「普段仲良くてにこにことしていてもね」
「自分達に都合が悪くなったら」
「その時にだね」
「あっさり掌を返して」
「それで切り捨てるんだね」
「そうしてくるよ」
 ふわりの前の飼い主みたいな人達はというのです。
「何度も言うけれど犬の命を何とも思っていない人が人の命を大事にするかな」
「そんな筈ないね」
「命は命だから」
「自分達の都合次第でね」
「平気で切り捨てるね」
「そうするね」
「最悪後ろから刺してくるよ」
 そうしたことをしてくるというのです。
「ふわりだって同じだね」
「信じていたのにね」
「それも心から」
「物凄く愛情を向けて」
「愛されていると思っていたのに」
「何の迷いもなく殺されるかも知れない場所に捨てたんだよ」
 保健所にというのです。
「だったらね」
「そうした人達を信じたら」
「何時裏切られるかわからないね」
「そして酷いことになるね」
「そう、こうした人達もいるんだ」
 世の中にはです。 
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