恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百七話 曹操、司馬尉に詰め寄るのことその九
「あんたの術は」
「見て驚くことはないわ」
司馬尉はそのあかりに言い返す。
「何故ならね」
「その術を見たら死ぬんやな」
「さあ、見るのね」
こう言ってだ。そしてだった。
司馬尉はだ。その右手を挙げようとした。その彼女にだ。
骸羅がだ。飛び掛かろうとする。
「させるか!」
「よせ、骸羅!」
だがその彼をだ。祖父の和狆が言う。
「前に出るでない」
「何っ、何かあるのかよ」
「左に跳ぶのじゃ!」
咄嗟にだ。そうしろというのだ。
「よいな、そっちじゃ!」
「!?それなら」
骸羅も祖父の言葉に応えだ。そうしてだった。
左に跳んだ。するとそれまで彼がいた場所にだ。
落雷が来た。宮廷の中だというのにだ。
それを見てだ。誰もが唖然となった。
「何っ!?雷!?」
「雷が落ちただと!?」
「宮廷の中で!」
「これが我が術」
それだとだ。司馬尉は凄惨な笑みで言った。
「落雷の術よ」
「全員散開しろ」
ここでだ。ハイデルンが全員に言った。
「集っていては危険だ」
「そうですね。ここは散開してですね」
「雷を避けましょう」
ラルフとクラークが応える。そうしてだ。
まずは彼等が散開した。続いてだ。
他の者達もそうする。そのうえで司馬尉達を囲む。
だが彼等はそのまま悠然と立っている。そうしてだ。
司馬尉は彼等にだ。こう言うのだった。
「私の雷を防げると思っているのかしら」
「予想以上に難儀な術やな」
それは言うあかりだった。
「一発受けたらお陀仏やな」
「俺もか?」
十三があかりに突っ込みを入れる。
「直撃受けたらやっぱりか」
「そや、天麩羅や」
こう言うところがあかりの時代だった。
「そうなりたいか?」
「そんな訳あるか、天麩羅は食うものだろ」
「そういうこっちゃ。そやったらや」
「この女早いうちに」
「そうしたいんやけれどな」
あかりは司馬尉を見据えながら十三にさらに話す。
「隙ないわ、見事なまでや」
「隙を作るつもりもないわ」
司馬尉の方もだ。こう言うのだった。
「言っておくけれど今ここで全員に雷を落とすこともできるのよ」
「それだけ自由自在に操れるということね」
「その通りよ」
曹操にも答えるのだった。
「さあ、死にたいかしら」
「生憎だけれど死ぬのは貴女よ」
曹操はだ。素手でも司馬尉を見据えて言った。
「私達じゃないわ」
「そう言うのね」
「言うわ。事実だから」
あくまでだ。曹操は引かない。
「雷をどれだけ出してもね」
「おやおや、相変わらずですね」
于吉がここで返した。
「私達の術を見ても平気ですか」
「そんなものを今更見ても何ともありませんわ」
袁紹も言う。
「例え貴女がどんな術を使ったとしても」
「臆することはないのね」
「その通りしでしてよ」
袁紹も曹操と同じだった。それでだ。
彼女も司馬尉に対して前に出る。そしてだ。
玉座の前の劉備にだ。こう言うのだった。
「帝は御願いしましたわ」
「は、はい」
劉備も応える。しかしだ。
その劉備を見てだ。司馬尉はまた言った。
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