夢幻水滸伝
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第二百十一話 陸戦においてもその五
「負けて今は捕まってるみたいや」
「いや、捕虜にはなっていない」
ここでそのテレサから返事が来た。
「降った、つまりな」
「国家連合に入ったんやね」
「負けてな」
「そういうことやねんな」
「そういうことだ」
「おっと、謝る必要はないで」
「最初からそのつもりはないが」
テレサはズーに即座に返した。
「別にな」
「そうなん」
「勝敗は戦の常、しかもこっちは意地を見せた」
敗北したことは事実でもというのだ。
「そやからな」
「そうしたことはせんか」
「そういうことや」
「そのこともわかったわ、ほな今度はやな」
「そっちが意地を見せることだ」
「わかったわ、ほなやったるわ」
ズーはテレサに明るい笑顔で応えた、だが。
シルキーの筈だが目が豹のものになった、その目を爛々と輝かせそのうえでカイに対して笑いながら言った。
「思う存分やろか」
「暴れられるのですね」
「浮気された彼氏との痴話喧嘩の時みたいにな」
こう言うのだった。
「思いきりやるで」
「あの、それは」
「そやからもうな」
「大暴れされるんですね」
「そのつもりや」
「全力でそうされますね」
「そうした戦い方するで、正面からぶつかり合う正規戦やが」
それでもというのだ。
「思いきり戦うで」
「そうですか」
「ゲリラ戦もあるけどな」
「今回はですね」
「それはせんでな」
それでというのだ。
「正面から全力でな」
「戦われますね」
「そうするで、やるで」
「では僕は補佐で、ですね」
「一緒にやってくれる?」
「僕もリーさんにはしてやられたと思っていまして」
それでとだ、カイはズーに答えた。
「それで、です」
「意地を見せたいんやな」
「思いきり働いて」
「そうですか」
「ただです」
「ただ?」
「一つ思うことは」
それはというと。
「戦力が違い過ぎてそこにです」
「リーさんも来たからな」
「敗北はかなりです」
「濃厚やな」
「そうかと」
こうズーに話した。
「そのことは」
「そやろな、しかしな」
「意地を見せますね」
「そうしてでも戦おうっていう有志だけを戦場に連れて来たしな」
「そういうことで」
「戦うんやな」
「そうします」
是非にと言ってだ、そしてだった。
ズーとカイは軍を率いてそのうえで進軍を開始した、軍勢はかなりの数だったがそれでもであった。
前に出た、リーはそれを見てスーンに言った。
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