夢幻水滸伝
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第二百十一話 陸戦においてもその六
「こちらは迎え撃つ」
「防御用の陣を組んでやな」
「そうする、前方への銃と術の攻撃を集中させ」
「砲撃も行うな」
「そうや」
その様にするというのだ。
「ええな」
「敵は果敢に来るやろな」
攻撃を受けてもとだ、スーンはリーに述べた。
「そして接近戦も挑むな」
「そうしてくるな」
リーもそのことを察して言った。
「間違いなく」
「そこからが本番やな」
「そうなる、しかしな」
「それでもやな」
「私は空からこの神船で攻撃する」
「海でもそうしてたな」
「その通りや、神船に」
それに加えてというのだ。
「十絶陣もな」
「使うな」
「十絶陣の力は絶大や」
リーは確かな声で述べた、顔も真剣なものだ。
「あれに入ったらどんなものでも一瞬で崩れ去る」
「そして魂だけになる」
「生きてるもんはな、そしてどんなものもそうなる」
崩れ去るというのだ、陣の中に入れば。
「そやからな」
「それを使ってくな」
「そや」
まさにというのだ。
「そうしてく」
「そうしつつやな」
「全体の采配を執る、そしてその補佐を頼む」
「わかってる、ほなな」
「まずは攻めて来る敵を倒すで」
こう言ってだった。
リーはまずは向かって来る敵に集中攻撃をさせた、陣を整てのそれはかなりの攻撃であり彼はそこにだった。
神船の攻撃を十絶陣も出した、十絶陣は敵軍の左右に展開させた。ブッパースウォングはその陣の動きを見て空船の上で采配を執りつつリーに貝殻で問うた。
「敵の左右に展開させてですか」
「敵が左右に拡がって自由に攻撃するのを防ぐ」
「そうして戦術を制限させるのですね」
「そや、ただな」
「敵の後方には向けないのですね」
「あえて後ろは開ける」
敵のそこはというのだ。
「退路は絶たん」
「敵に退くことが出来ると思わせますね」
「実際退くなら退かせる」
その時はというのだ。
「自由にな」
「退路があるとなると」
「人はいざという時は逃げる、しかしな」
「退路がないとですね」
「敵は戦う」
そうなるというのだ。
「それも必死にな」
「戦わないと生きられないからですね」
「そうなるな」
「背水の陣ですね」
「死中に活ありってなる」
こう言うのだった。
「その場合はな」
「そうはさせない」
「そやからな」
「ここはそうしないですね」
「そや、只でさえ命知らずの戦をしようとしてる」
見れば敵軍は早速攻撃を受けている、だがそれでも果敢に前に出ている。
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