夢幻水滸伝
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第二百十一話 陸戦においてもその一
第二百十一話 陸戦においても
テレサもリサールもそれぞれの乗艦の艦首に出た、ここでリサールは貝殻でテレサに対して言った。
「ほなな」
「もう戦自体の勝敗は決したけどな」
「最後の最後まで意地を見せるか」
「そうするで」
「わかったわ」
リサールはテレサのその言葉に応えた。
「おいらもそのつもりで出たしな」
「何だかんだ言って自分も意地を張るな」
「戦は避けたいけどな」
それでもとだ、リサールはテレサにこうも答えた。
「けどな」
「やる時はやな」
「やるさかいな」
そうした考えでというのだ。
「今もな」
「やるんやな」
「そや、そしてや」
今はというのだ。
「一騎打ちを挑む」
「そうするな」
「これからな」
「ほなな」
テレサも応えて述べた。
二人が艦首に出るとその前に舞空の術を使って二人の星の者達が来た、その者達はというと。
「自分か」
「こっちの世界では久し振りやな」
ハリムはテレサに笑って応えた、彼女の前で宙に浮かんでいる。
「そやな」
「ああ、起きた世界では時々会ってるな」
「同じ普通科の二年やからな」
「しかしこっちの世界では初対面や」
「お互い種族がちゃうな」
テレサは自分達のそのことも話した。
「私は天使で」
「おいらはコボルトで」
「おもろい違いや」
「ほんまにな、けどな」
それでもとだ。ハリムはテレサに明るく笑って応えた。
「これでも強いで」
「それは私もや」
「星のモンやからな」
「お互いな、ほなやるか」
「一騎打ちしよか」
「これからな」
まるで一緒に朝食を食べる感じでだった。
二人は一騎打ちをはじめた、それはアルフィアンとリサールもだった。リサールはアルフィアンを見据えて言った。
「はじめるか」
「いきなりやな」
「ああ、別に構わんやろ」
「確かに。ただお互い全力で」
「正々堂々とやな」
「戦おうな」
「そうするか」
こうアルフィアンに話した。
「どっちが勝っても恨みっこなし」
「そういうことでな」
「戦おうな」
「今からな」
こう話してだった。
二人も一騎打ちに入った、二組の一騎打ちは空に舞い術を放ちそれだけでなく干戈も交えたものだった。
ハリムは自身の神具アチャルバリスをテレサに向けて突き出した、その剣の流星の様な一撃をだった。
テレサはかわした、そして。
自身の神具である死神の大鎌を左から右に一閃させた、それはハリムの首を直接狙ったものだったが。
ハリムもかわした、テレサはその彼の動きを見て言った。
「流石やな、今のでや」
「おいらもや」
ハリムも言葉を返した。
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