夢幻水滸伝
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第二百十話 マレー沖の海戦その十三
テレサも戦い続けた、その間もリーの神具と術による攻撃は続き。
その間にだ、さらにだった。
国家連合軍の中央と左翼も来た、そうしてだった。
同盟軍は包囲された、艦隊だけでなく星の者も攻撃し。
同盟軍の船は次々と沈んでいった、将兵達は次々に倒れ。
戦場では無数の魂が漂っていた、そして。
遂に同盟軍の戦力はテレサとリサールがそれぞれ乗る戦艦二隻だけになった、ここで二人はそれぞれ艦首に出て来た。
リーはそれを見て言った。
「一騎打ちを挑んで来るか」
「よし、出る」
ロシティーがここで貝殻でリーに言ってきた。
「一人はわいや」
「いや、もう二人行った」
「ハリムとアルフィアンか」
「その二人がな」
まさにというのだ。
「もう出た」
「先を越されたか」
「そもそも自分は一騎打ちに出すつもりはなかった」
リーはロシティーにこのことを告げた。
「天の星や」
「地や人の星のモンにはか」
「一騎打ちには格式がある」
それでというのだ。
「格上の相手を行かせることはな」
「作法に反する」
「そやからな」
そう考えられるからだというのだ。
「それでや」
「ここではか」
「自分はこのままな」
「見守れっていうんやな」
「そや」
まさにというのだ。
「ここはな」
「格か、そういうことか」
ロシティーはリーのその言葉を聞いてだった。
少し動きを止めた、そのうえでリーに答えた。
「よし、ここはな」
「動かんな」
「そうする」
リーに微笑んで述べた。
「見守るで」
「そういうことでな」
「ほなテレサちゃんの相手はやな」
「ハリム君でな」
「そしてリサールの相手は」
「アルフィアン君が言った」
それぞれというのだ。
「そうなった」
「ほなわい等は」
「見守る、ただ今からな」
リーは冷静な声で述べた。
「戦の後の処理の用意をな」
「していくか」
「戦死者の復活、戦傷者の治療に」
それにというのだ。
「沈んだ船は幸い少ない」
「そうした船の曳航もやな」
「準備をする」
「戦の後は味方になるからか」
「そうしたこともするで」
「ほなその準備にな」
「今からやな」
「入るで、というか今から救助とかはしてくで」
そうしたことは今からというのだ。
「ええな」
「わかった、そうしてこか」
ロシティーも応えた、そうしてだった。
国家連合軍はもう戦後のことに対して動いていた、戦が終わってもそれでもやることは実に多かった。
第二百十話 完
2021・5・15
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