恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百六話 夏侯惇、妹を救うのことその七
そしてだ。馬超達もだった。
「じゃあはじめるぜ!」
「いいわ」
ミヅキは槍を構える馬超に対して返した。
「それなら来ることね」
「行くぜ!」
「うむ、行くのだ!」
馬超にだ。蛇矛を構えた張飛が応える。そうしてだった。
黄忠がだ。弓を放ったのだった。それが合図になりだ。
四人は一斉に跳びだ。ミヅキに襲い掛かった。
それに対して。ミヅキは。
その手に持っている祈祷の棒でだ。まずはだ。
張飛の蛇矛を受けたのだった。
「何っ、受け止めたのだ」
「見事ではあるわ」
こうだ。張飛にだ。その悠然とした笑みで返したのだった。
「ただ」
「くっ、鈴々の矛を受け止めてそれなのだ」
「そうよ。私を倒すには至らないわ」
「ああ、わかってるさ!」
馬超は最後まで言わせなかった。それでだ。
今度は彼女が槍を繰り出す。幾度も幾度もだ。
だがそれもだ。ミヅキは。
その棒で受け止めてみせる。そして。
返す刀でだ。同時に来た趙雲の槍もだ。
平気で受け止める。そうしたのだ。
そのうえでだ。
関羽にはだ。凶犬を差し向ける。その犬の相手をしてだ。
関羽はだ。言うのだった。
「この犬もまた」
「そうね」
黄忠は関羽の援護をしながら彼女に応えた。
「手強いわね」
「だから我等もだ」
「油断してはならないわね」
「油断すればだ」
「やられるのは私達ね」
「その通りよ」
ミヅキはだ。三人の相手を同時にしながら返す。
「さあ、必死に楽しむころね」
「ふん、それならな!」
「その言葉!」
「乗ってやるのだ!」
馬超に趙雲、張飛はだ。一先着地してそのうえで態勢を立て直し。
それからだ。再び攻撃を仕掛ける。それを繰り返してだ。
ミヅキと戦う。彼女達の戦いは激しいものだった。
そしてその隣では。楓達がだった。
それぞれの剣を振るい戦い。今刹那の剣を受けたのは。
示現だった。剣を受け止めた上で彼に返す。
「強さは健在か。むしろ」
「わかるのだな」
「強くなっている」
このことをだ。示現は見抜いていた。
「さらにな」
「常世の力は強まっている」
だからだ。その化身である刹那もだというのだ。
「そしてその力でだ」
「この世界を常世に変えるか」
翁も仕掛けた。だがだ。
刹那は微かに動いただけでだ。翁の攻撃をかわしてみせた。そしてだ。
それからだ。さらにだった。
その剣を一閃させてだ。闇を繰り出しだ。五人を襲う。
「死ね」
「甘い!」
「この位なら!」
守矢と楓が同時に叫ぶ。そしてだ。
その攻撃をかわした。五人共だ。
跳びそこから刹那の前に五人並んで着地してからだ。翁が言った。
「これは尋常なやり方では倒せぬのう」
「わかってはいる筈だ」
嘉神が翁に返す。
「このことは」
「そうじゃな。常世を封じるのは容易ではない」
封じる役目を担うからこそだ。このことは誰よりもわかっていた。
それでだ。翁はさらに言うのだった。
「ではじゃ」
「うむ、わかった」
「それじゃあ」
嘉神と楓が応えてだ。それでだ。
五人は刹那を囲んでだ。そうしてだった。
再び攻撃を浴びせる。彼等も果敢に戦っていた。
戦局自体はだ。大きく変わろうとしていた。やはり本陣の到着が大きかった。
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