恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百六話 夏侯惇、妹を救うのことその六
「こういうことよ」
「そういうことね」
話を聞いてだ。ミヅキは言った。
「だから五人と言ったのね」
「そうよ。貴女達の強さは知っているわ」
黄忠は刹那とミヅキを見据えながら言葉を返した。
「だからよ。私達五人で」
「相手をする!」
関羽も言う。それを受けてだ。
ミヅキはだ。悠然とした笑みを浮かべた。その笑みでだ。
五人にだ。こう問うたのだった。
「話はわかったわ。けれど」
「けれど。何なのだ」
「私達の強さを知っているのなら」
そのだ。彼等の強さならどうかというのだ。
「それなら五人で私達の相手になるのかしら」
「無理だ」
刹那もそれを言う。
「我等二人を五人で相手にするにはだ」
「精々私か刹那のどちらか」
それで五人をだというのだ。
「どちらを相手にするかね」
「少なくとも五対二では貴様等に勝てはしない」
このことも言う二人だった。
「相手にするのなら異存はないが」
「どうするのかしら」
「言った筈よ」
黄忠もだ。悠然とした笑みになりだ。
それでだ。こう二人に返したのだった。
「本陣が到着したのよ」
「何っ!?」
「ここに来るのは私達だけじゃないわ」
「そうか」
刹那は黄忠の言葉を受けてだ。それでだった。
納得した声を出してだ。そのうえで話したのだった。
「そういうことか」
「さあ、来たのだ」
張飛が言うとだった。今度は。
五人来た。彼等は。
「貴様の相手はだ」
「我等だ」
示現と嘉神がだ。刹那に告げる。
「今ここでだ」
「貴様を封印させてもらう」
「そういうことか」
刹那の表情は変わらない。
「俺の相手は貴様等か」
「姉さんを犠牲にはしない」
「主はここで我等だけで封じる」
楓と翁もいる。
「それなら」
「今からじゃ」
「そしてだ」
守矢もいた。彼はだ。
楓のところに来てだ。こう彼に告げた。
「私も戦わせてもらう」
「兄さんもまた」
「そうだ。雪はここには来させていない」
「そうしてくれたんだね」
「そうだ。劉備殿達にもお話した」
そうしたというのだ。
「だからだ。今はだ」
「僕達だけで」
「倒し、封じることができる」
倒す、それが即ち封じることだった。
「ではだ」
「うん、やろう」
兄弟はそれぞれ左右になりだ。剣を構えた。
そうしてだった。嘉神がだ。
その守矢にだ。こう告げたのだった。
「守るものの為に戦うか」
「そうだ」
まさにだ。その通りだとだ。守矢はその嘉神に返した。
「私の守るものはだ」
「妹、そして弟だな」
「その為に私は戦う」
また言う守矢だった。
「だから今ここにいる」
「わかった」
それを聞いてだ。嘉神も。
構える。そうしてだった。
彼等が刹那に向かう。戦いはこちらの方が先にはじまった。
ページ上へ戻る