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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百六話 夏侯惇、妹を救うのことその八

 孫策がだ。馬から降り自ら剣を抜いて指示を出していた。
「山を囲め!そのうえで十人一組になってだ!」
「十人一組になってですか」
「そうしてですか」
「そうだ。山を登り敵を倒せ!」
 小さな隊に分かれてだ。それぞれそうしろというのだ。
「そしてだ。仲間達を救出する!」
「了解です!」
「わかりました!」
 孫策の言葉に応えてだ。兵達は、
 山を囲んだうえで進んでいく。そうして白装束の者達を倒していっていた。
 白装束の者達は暗躍する。しかしだ。
 それでもだ。その数と戦術に圧倒されてだ。
 山の頂上に追い詰められていく。その中で。
 特にだ。曹操がだ。
 鎌を振るいながらだ。周りの兵達に問うていた。
「秋蘭は!?」
「までです」
「何処におられるかわかっていません」
 兵達は曹操にすぐに答えた。
「今必死に捜索中です」
「この山の中を」
「わかったわ」
 話を聞いてだ。曹操はだ。
 前、山の上の方を見据えてだ。そして言うのだった。
「なら今はね」
「少しずつですね」
「進んでですね」
「そのうえで」
「秋蘭達を見つけ出すわよ」
 そのうえで助け出す。それが曹操の考えだった。その彼女のところにだ。
 袁紹が来た。彼女も手に剣を持っている。その彼女が曹操に言う。
「華琳、いい知らせよ」
「秋蘭が見つかったの!?」
「ええ。今春蘭が向かっていますわ」
 そうだというのだ。
「そしてラルフさんや秦兄弟も」
「見つかったの!?」
「合流しましたわ」
 見つかりだ。そうしたというのだ。
「後は」
「秋蘭ね」
「確かに大変な状況ですけれど」
 戦局は有利になっている。それでもだった。
「秋蘭は生きていますわ」
「そうね。だから春蘭も向かっているし」
「心配無用ですわ」
 これが袁紹の曹操への言葉だった。
「だから私達も」
「ええ。少しずつ先に進んで」
 この戦いに勝つ、このことを言ってだった。
 戦いを続けていた。指揮をしながら。
 夏侯淵と典韋はだ。クリス、そしてシェルミーと戦い続けていた。その戦いは五分と五分のまま進んでいた。
 だが次第にだ。二人はだ。
 肩で息をしだしていた。それを見てだ。
 社はだ。楽しげに笑ってこう言った。
「そろそろやばいか?」
「ふん、この程度!」
「何ともありません!」
 こうだ。二人は弱気を見せず言い返した。
「貴様等は必ず倒す!」
「そして生き残ります!」
「生きるねえ。生きるのは大変だよな」
 社は笑いながら二人に返す。
「じゃあまあ。楽しんでくれよ」
「いえ、そういう訳にはいきません」
 社の言葉にだ。不意にだ。
 于吉が来てだ。そして言ってきたのだった。
「時間がありません」
「そういえば山の下の方が騒がしいな」
「敵の援軍が来ました」
 そうだというのだ。
「ですからここはです」
「何だ。帰るのか」
「その前にです」
 戦う夏侯淵達を見ながらだ。社に話すのである。
 
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