夢幻水滸伝
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第二百十話 マレー沖の海戦その十一
「死んだモンもな」
「可能な限り蘇らせる」
「そうしていきますね」
「戦闘の間でも」
「そうしてくで、それとな」
テレサはここで防壁を出した、それでだった。
神船からの砲弾から乗艦を防いだ、砲弾は彼女が乗る戦艦マニラの斜め上で大爆発を起こした、爆発こそ起こったが衝撃も防壁で防がれていた。
その爆発を見てこう言った。
「リーさんは私の船とや」
「リサール様の船を集中的に攻められていますね」
「ご自身の乗艦で」
「そうされていますね」
「そや」
まさにというのだ。
「それにも気をつけてくで」
「わかりました」
「その様にしていきましょう」
「前方の敵軍の守りは固いですが」
「ここはですね」
「何としてもな」
このままというのだ。
「攻めていくで」
「わかりました」
「ではその様にしていきましょう」
「そしてですね」
「このままですね」
「前に進むで」
予定通りとだ、こう言ってだった。
テレサは敵の攻撃が激しくなる中で自軍を前に進ませていった、それはリサールも同じことであった。
リサールは自軍を見てこう言った。
「前に進むが」
「それでもですね」
「左右には逃げられないですね」
「今は」
「十絶陣をおいら達の左右に展開させてきた」
リーがそうさせてきたというのだ。
「そうしてきた」
「左様ですね」
「ここはですね」
「そうしてきて」
「それで、ですね」
「左右は進めん」
その十絶陣があるからだというのだ。
「残念やがな」
「左様ですね」
「リーさんは色々凄いな」
リサールはこうも言った。
「ただ戦術戦略が凄いだけやない」
「その神具もですね」
「凄い、しかもな」
ここでリーの雷神の術が炸裂した、それで一隻の船が消し飛んだ。リサールは言いながらそしてテレサも咄嗟に艦隊を護る為に術を放ったが一隻がそうなってしまった。
「この威力や」
「今のが普通に炸裂していますと」
「五隻は消えていました」
「そしてお二人の術で対してもですか」
「一隻消えてしまいましたね」
「恐ろしいな」
消えた船の周りを漂う多くの魂も観ながら述べた。
「これは」
「全くですね」
「これがリー様ですか」
「神星の方ですか」
「そうなのですね」
「ここまで強いとな」
苦い顔で述べた。
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