夢幻水滸伝
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第二百九話 魔法学校の主からその七
「してやられた」
「そう思われるからですね」
「ちょっと仕返しさせてもらわんとな」
「気が済みませんか」
「そや、それでな」
「フィリピンンと結び」
「オセアニアともそうしてな」
そのうえでというのだ。
「ことにあたりたい」
「そうされますか」
「このまま素直にリーさんのとこに入る気はない」
こう言い切った。
「そやからな」
「一度ですか」
「戦したるわ、あたくし様だけでもな」
「ズーさんだけですか?」
「兵も傷付けたくない」
こうも言うのだった。
「そやからな」
「一騎打ちでもですか」
「あくまであたくし様の感情でのことやからな」
それでというのだ。
「そうしてな」
「リーさんとですか」
「一騎打ちでもしてな」
「終わらせたいですか」
「まああれや、一発ひっぱたく」
ズーは笑って述べた。
「そういうことや」
「ビンタですか」
「そうせな気が済まんわ」
「それが本音ですか」
「言うならな、兎に角な」
「このまま黙って軍門には降らない」
「そや、やっぱりあたくし様はベトナムの女や」
徴姉妹からの血が流れているというのだ、国の大事になれば自ら武器を手に取って戦い普段でも怒ると猛々しい。
「そやからな」
「戦われますか」
「そうする、それでフィリピンともな」
「お話されますね」
「そうするで、こっちから動くで」
ズーはここでは茶を飲んで笑って話した。
「そうするで、異論はあるか」
「そうですね、僕としてはこのままです」
カイはズーに言われ自分の率直な意見を述べた。
「国家連合に入ってもです」
「ええか」
「正直に申し上げて」
「リーさんの方が上やな」
「それも数段」
「勝てんな」
「しかも民も国も傷付ける方でなく」
そしてというのだ。
「我々も迎えてくれて」
「それからは仲間としてやな」
「お付き合いしてくれる人なので」
それは今の国家連合を見ればわかることだった、星の者達に共通していることだがリーもまた昨日の敵は今日の友という考えなのだ。
「ですから」
「もうこのままやな」
「そう思いますが」
「ほな自分はそのままおってな」
「そうしてですか」
「そや、それでな」
「ズーさんだけで、ですね」
カイは蝶のその目の光を鋭くさせてズーに問うた。
「行かれますね」
「そうするわ」
「そうですか」
「そしてな」
「一発ですか」
「ビンタしてな」
またこう言った。
「それでな」
「終わりですか」
「そうしたいわ、しかしな」
「そのビンタでリーさんは怒られるなら」
「あたくし様は国家連合に入らんわ」
「そうされますか」
「その覚悟でな」
明るいが確かな口調で述べた。
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