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夢幻水滸伝

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第二百九話 魔法学校の主からその六

「それでや」
「九割五分ですか」
「そや、しかしそれでやな」
「今ズーさんと一緒にいます」
「そういうことやな、ほな過去の話は聞いたし」
 それでとだ、ズーはあらためて述べた。
「今度はこれからのことを話すか」
「我が国のですね」
「フィリピンと同盟結ぼうか」
 単刀直入に述べた。
「そうしようか」
「そうして国家連合にあたりますか」
「あとオセアニアとも手を結んで」
 そちらもしてというのだ。
「そのうえでな」
「国家連合とあたりますか」
「そうしよか、しかし民や国にはな」
「危害を及ばさせないですね」
「そうしていきたいわ」 
 是非にという言葉だった。
「あたくし様としては」
「それは僕もです」 
 カイは即座に答えた。
「やはりです」
「民や国はな」
「犠牲にしてはなりません」
「ほんまやな、ただな」
「ただ、とは」
「どうもリーさんもそうした人やな」
 今はまだ干戈を交えていないが対立関係に入っていることはほぼ間違いない国家連合の棟梁である彼のことも話した。
「どうもな」
「そうですね、あの人も」 
 カイもリーについてこう述べた。
「戦よりも政、話し合いの人で」
「民や国土を傷付けることは嫌う」
「そうした方ですね」
「そや、そやからそのまま入ってもええけどな」
「賊とモンスターのことですね」
「してやられたわ」
 このことについてはカイに苦い顔で述べた。
「ほんまな」
「そう思われるからですね」
「気付かんうちにリークされて乗ってな」
「彼等を全力で退治しました」
「その結果国の治安はさらによおなったしな」
「軽い罪やたたいただけの賊を軍に入れ」
「こっちに来たいモンスターもそうしてな」 
 彼等も軍に加えてというのだ。
「軍の規模はさらに充実したしな」
「軍人も戦で経験を積み強くなりました」
「ええことばかりや、しかしな」
「してやられましたね」
「こっちが征伐に専念してる間に国家連合はインドネシアとの戦に勝った」 
 そのインドネシアも国家連合の策により賊やモンスターとの戦に専念していた、それで軍を分散させて国内各地の彼等を征伐している時に国家連合に攻められたのだ。
「そしてタイもな」
「返す刀で降らせましたね」
「そして我が国もフィリピンも」
「征伐に専念して」
「気付いたら今の状況や」
「国家連合圧倒的有利ですね」
「そや」
 そうした状況に陥っているというのだ。
「もう東南アジアで残るは二国」
「我が国とそのフィリピンのみです」
「何億もの人口を擁する一大勢力や」
「そうなりました」
「ほんま見事や、流石四智星のお一人」
「戦略も策もしっかりしていますね」
「そう言うしかないわ、しかしな」
 それでもとだ、ズーは顔を顰めさせて言った。 
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