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夢幻水滸伝

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第二百八話 ハノイの女傑その十四

「あっという間にな」
「お金がなくなっていきますね」
「幾ら使っても足りんわ」
 そうした状況だというのだ。
「ほんまにな」
「今はそうですね」
「そや、それでな」
 ズーはさらに言った、今は二人での政策会議の休憩時間でその時間を利用して歓談に興じているのだ。
「外交もな」
「していきますね」
「東井乙して内政に励んでな」
「賊やモンスターの居場所がわかってです」
「征伐も進めてな」
「ほんまに大変ですね」
「それで大忙しの間にシンガポールが国家連合を築いたわ」
 ズーは苦い顔で述べた。
「もうな」
「もう東南アジアでは我が国とフィリピン以外を統合しています」
「そやな、それでな」
「これから国家連合とどう対するか」
「それが問題や」
 外交上のそれだというのだ。
「ほんまに」
「左様ですね、フィリピンと同盟を結ぶことも」
 これもというのだ。
「考えていくか」
「そうしますか」
「ああ、それとな」
 ズーはカイを見て彼に問うた。
「自分魔法学校の校長やったな」
「はい、統一してからはその座を他の人に譲っていますが」 
 カイはズーの今の問いに率直な声で答えた。
「ですが」
「最初はそやったな」
「魔法学校で理事長兼校長にして頂き」
 そしてというのだ。
「そうしてです」
「そのうえでやったな」
「ホー=チ=ミンを拠点として」
「勢力を拡大していっていたな」
「そうしていました」
「魔法学校はバグダートに凄いのがあったな」  
 ズーはこの世界で聞いている話をした。
「行ったことはないが」
「そうらしいですね、この世界のバグダートはアラビアンナイトの様な繁栄で」
 ハールーン=アル=ラシードの頃の様なというのだ。
「そして学問も栄えていて」
「そうしてやったな」
「魔法学校もです」
 これもというのだ。
「この世界でも随一の」
「物凄いとこらしいな」
「天の星の方のお一人が率いておられ」
「その人が滅茶苦茶凄くてやな」
「それで、です」
「凄い学校になってるな」
「はい、ですがホー=チ=ミンのものもかなりで」
 カイは自分がいた学校の話もした。
「自慢ではないですが」
「ああ、あたくし様も先日訪問したけどな」
「かなりですね」
「そや」
 まさにというのだ。
「あたくし様も思ったわ」
「それは何よりです」 
 カイはズーのその言葉に笑顔で応えた。
「僕にしましても」
「かつての理事長兼校長としてやな」
「学長と呼ばれていました」
「それで自分があたくし様と会うまでのことをな」
「お聞きしたいですか」
「今休憩時間やし話してくれるか」
 こうカイに言った。
「そうしてくれるか」
「下らない話だと思いますが」
「いやいや、そんなことはないで」 
 ズーは茶を飲みつつ明るく返した。 
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