夢幻水滸伝
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第二百八話 ハノイの女傑その十三
「かなり順調に治めてるみたいやな」
「魔法学校を拠点として」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「そや、そうしてや」
そのうえでというのだ。
「統一したらな」
「その時はですね」
「今度はお二人で、ですね」
「この国を治められますね」
「そうされますね」
「そうなるわ、ハノイを首都としてな」
今自分達がいる街をというのだ。
「そうするわ、ただあの街もな」
「ホー=チ=ミンもですね」
「重要な街になりますね」
「ベトナムを治めるにあたって」
「やっぱり経済はあそこや」
ホー=チ=ミンだというのだ。
「ベトナムはな」
「確かにそうですね」
「あの繁栄はかなりです」
「ベトナムで第一です」
「そう言っていいです」
「そやからな」
その繁栄があるからだというのだ。
「あの街もな」
「軸にしますね」
「ベトナムの統治の」
「それにしますね」
「そうするわ、それとな」
ズーはさらに言った。
「ベトナムを豊かにするけど外交をな」
「どうするかですね」
「内政に加えて」
「そちらもどうかですね」
「正直言ってあたくし様もカイちゃんも野心はないで」
こう官吏達に話した。
「東南アジアの覇者になるとかな」
「この世界の盟主になる」
「そうして世界を救う指導者になるというお考えはないですか」
「そうなのですか」
「そや、ないで」
一切、そうした言葉だった。
「ほんまにな」
「ではベトナムを統一されれば」
「それで終わりですね」
「戦は」
「外を攻めることはせんわ、別にカンボジアとか手中に収めんでも」
そうしなくとも、というのだ。
「やっていけるしな」
「だからですね」
「統一してからは外交ですね」
「そちらにも力を入れられますね」
「そうするわ」
こう周りに話した、そして。
ベトナムを統一するとズーはカイと共にこれまで主に行っていた賊やモンスター退治等を軸とした治安の改善に加えて。
インフラの整備、農業や商業、漁業、工業の発展に力を入れ雇用も確保し労働条件の改善にも取り組んだ。
義務教育も徹底させ各地に学校を建てていった、そして技術の研究も促進させていった。
「内政に本腰入れるとな」
「大変ですね」
カイは共に仕事をするズーがぼやいたところで笑って応えた。
「まことに」
「ああ、ほんまにな」
「人手も考慮も必要で」
「お金もな」
「幾らあっても足りませんね」
「ああ、豊かな国やと思ってたのが」
それがというのだ。
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