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夢幻水滸伝

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第二百八話 ハノイの女傑その十二

「さもないとしんどかったわ」
「二日酔いで苦しんでいる時は、ですね」
「もうずっとお仕事になりませんからね」
「だからですね」
「お風呂があるといいですね」
「ほんまにな、熱いサウナに入って」
 実は最初に入っている。
「思いきり汗かくとな」
「いいですね」
「それですっきりしてですね」
「その上で水風呂に入って」
「こうしてお湯にも入るとですね」
「完全復活や」 
 そうなるとだ、笑顔で話した。
「この通りな」
「それで朝ご飯を召し上がり」
「それからお仕事ですが」
「今日も頑張って下さい」
「そうするわ、しかしあたくし様は事務仕事はしても」
 それも出来る方である、このことも政治力の高さと政治関連の特殊技能がかなり影響していることは言うまでもない。
「身体動かす方がな」
「性に合っていますか」
「そういえばそうですね」
「ズー様はそうですね」
「そやねん、戦に出たり」 
 若しくはとだ、ズーは話した。
「それかな」
「賊やモンスターの退治ですね」
「そちらの方がお好きですね」
「それで性にもですね」
「合ってるわ、まあな」 
 今はと言うのだった。
「仕事は好き嫌い言えんさかい」
「事務仕事もですね」
「そちらもされますね」
「今日も」
「そうするわ、ほなお茶飲んで」
 風呂から上がればというのだ。
「朝ご飯食べてな」
「お仕事しましょう」
「私達もそうします」
「今日も頑張りましょう」 
 色々な種族の女達は笑顔で応えた、そうしてだった。
 ズーは海豹の毛皮シルキーのそれを被って顔だけ出してまるで着ぐるみの様な姿になって書類仕事にかかった。
 その姿を見て役所の者達は言った。
「あの、海豹の毛皮ですが」
「それを着られるとですね」
「事務仕事に乗れると言われていましたが」
「そうなのですね」
「あたくし様はそやねん」
 書類に次々とサインをしつつ答えた。
「それで今は事務仕事をしてるさかい」
「それで、ですね」
「毛皮を着られていますね」
「海豹のそれを」
「そやねん、今日も書類は多いし」
 決裁すべきそれはというのだ。
「そやからな」
「それで、ですね」
「毛皮を着られ」
「そのうえで、ですね」
「やってくで、あとな」
 ズーはここでお茶を飲んで言った。
「ホー=チ=ミンの方やけど」
「カイ様の方ですね」
「そちらはどうなっているか」
「そのことですか」
「ベトナム南部を掌握して北上して」
 そうしていってというのだ。 
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