八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十五話 総帥さんのお言葉その四
「毎日だよ」
「鍛錬をされているので」
「ああしてだよ」
「今もお元気で」
「若い人顔負けの動きが出来るんだよ」
「そうなんですね」
「人間鍛えていれば」
そうしていけばというのだ。
「畑中さんみたいになることも出来るよ」
「九十代でもあそこまで動けるんですね」
「体力もあってね」
「そうなんですね」
「人間老いるのは事実だよ」
このこともだ、総帥さんは話してくれた。
「僕もだしね」
「総帥さんもですか」
「若い時は十六キロ泳ぐことも出来たよ」
「十六キロですか」
「海でね」
「それも凄いですね」
「二十代の頃だけれどね」
まだ総帥さんがお若い頃のことだった。
「それも出来たけれど今はとてもね」
「そこまで泳げないですか」
「人は老いて衰える」
「そのことは避けられないですね」
「絶対にね、栄枯盛衰は人もで」
この世のあらゆるものがやがて衰える、平家物語で書かれている通り全ては衰えやがて滅してしまうのだ。
「そして死ぬよ」
「そうなりますね」
「そう、それは僕もでね」
「体力もですか」
「かなり落ちたよ」
お歳を召されてというのだ。
「幸い歯は全部あって目も見えているけれどね」
「それでもですか」
「体力は落ちて頭もね」
こちらもというのだ。
「鈍って来たよ」
「そうですか」
「けれど畑中さんの様に毎日鍛錬をして」
そしてというのだ。
「しっかり食べているとね」
「衰えない訳はないですね」
「さっきも言った通りだよ」
「誰でも衰えますよね」
「老いてね」
「そうですよね」
「けれどその老いもね」
鍛錬をしていると、というのだ。
「かなり遅くなるんだ」
「それが畑中さんですね」
「そして頭も」
お身体だけでなくというのだ。
「あの人はしっかりしているね」
「凄いですよ」
畑中さんはそちらもしっかりしていることも凄い、むしろ僕よりも頭の回転も記憶力もしっかりしている位だ。
「あの人は」
「そうだね」」
「はい、それで」
「頭の方もだよ」
「鍛錬されていますか」
「仕事をして人を見てお話をして本を読んでね」
そうしたことをされてというのだ。
「毎日鍛えているからね」
「だからですね」
「ああしてだよ」
「頭もしっかりされていますね」
「そう、若し何もしていないと」
そうした人のお話もしてくれた。
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