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夢幻水滸伝

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第二百八話 ハノイの女傑その三

「あの、星の方ですね」
「でしたらこのハノイを治めてくれませんか」
「そしてベトナムを統一してです」
「まずはこの国を救ってくれませんか」
「世界を救われる前に」
「よかったら市長のところに案内しますが」
「ああ、ヤクザ者を片っ端から潰すよりな」
 それよりはとだ、ズーは警官達の申し出に頷いた。
「その方が早いな」
「ヤクザ者についてもです」
「行政としてされる方がいいかと」
「そう思いますので」
「如何でしょうか」
「そやな、その方がええな」
 警官達の言葉に頷いた、そうしてだった。
 ズーは彼等にハノイの市庁の官邸に案内された、市長は亀人の中年の女だった。市長はズーに会うとすぐに言った。
「お話は聞きました」
「そうなんやね」
「それでなのですが」
「星のモンとしてっていうんやね」
「この街を救ってくれますか」
「市長さんではやね」
「はい、今この街はヤクザ者が多く」  
 それでとだ、市長はズーに素直に話した。
「私もです」
「治めきれんのやね」
「警官が足りません」
 その為にというのだ。
「それで彼等に対せないので」
「そうか、ほなな」
「はい、お願い出来ますか」
「正直ヤクザモンを虱潰しにやっつけるよりも」
「行政で対処した方がいいですね」
「その方が効果的やしな」
「はい、では」 
 市長はズーに述べた。
「宜しくお願いします」
「これからハノイの行政してな」
「そうしてですね」
「ここを拠点として」
 そのうえでというのだ。
「ベトナムの統一目指すわ」
「宜しくお願いします」
「ほなまずは治安やな」
 ヤクザ者達をどうするかというのだった。
「警察はあたくし様が率いてな」
「そうしてですか」
「ああ、どんどん倒してな」
 そしてというのだ。
「なくす、あとな」
「さらにですね」
「街の行政はな」
 これはというと。
「あんたにやってもらうわ」
「そちらはですね」
「出来ることからな、あたくし様もやるけど」
 それでもというのだ。
「あんたが市長としてな」
「行政をですね」
「してもらうで、それでな」
 ズーはさらに話した。
「警官が足りんって言ったな」
「予算の関係で」
 市長は項垂れて答えた。
「どうしても」
「そやな、それで税収の分はやな」
「はい、ヤクザ者達がです」
「ショバ代取ってるんやな」
「今ハノイの多くの富は彼等が握っています」
 市長はこの状況も話した。
「市民の生活も脅かし」
「上前はねてな」
「まさにやりたい放題です」
「そやからヤクザモンをどうにかしたら」
「街はかなりよくなります」
「わかったわ、ほなな」
 是非にとだ、ズーは笑って話した。 
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